【GDO EYE】“完全アウェイ”のヤン、日本ではどう映る?
2009/08/17 14:20
「全米プロゴルフ選手権」最終日は、まさかの結末が待ち受けていた。過去、タイガーがメジャーで挙げた14の通算勝利は、すべて首位で最終日を迎えていたもの。そして今年も、2位に2打差の単独首位で最終日をスタート。誰もが、タイガーの勝利を信じて疑わなかったはずだ。
その神話を打ち砕いたのが、日本ツアーでも活躍していた韓国のY.E.ヤンだ。日本では馴染み深い名前だが、今季のPGAツアーで1勝(ザ・ホンダクラシック)を挙げているとはいえ、アメリカでの知名度はまだまだ低いはず。最終組を回った2人に対し、かかる声援は9.5割がタイガー、0.5割がヤン。つまりは、完全アウェイ。その中でビッグタイトルを掴み取ったヤンの精神力の強さには感服した。
この状況に身を置いて思い起こされたのが、今月初めに閉幕した国内ツアー「サン・クロレラクラシック」。石川遼とオーストラリア出身のブレンダン・ジョーンズが優勝争いを演じ、最終的に石川が勝利を手にしたトーナメントだ。ブレンダンがパットを外した時、ギャラリーから起きた拍手が一部問題視された。実際、今大会でも大詰めの17番でヤンがパーパットを外してボギーを叩いた時、ギャラリーからは「Go! Tiger!」という地鳴りのような歓声が響いていた。
これは、やはりアウェイの洗礼なのだ。当然ながら選手もその事は自覚しているはずで、それを不快に感じ心を乱すようなら海外でプレーをする資質がないということ。日本では、ブレンダンの同情論が高まっていると聞く。状況の違いもよるので一概には言い切れないが、世界的に見れば当たり前の事なのかもしれない。(編集部:塚田達也)