2021年 全米プロゴルフ選手権

ミケルソンを祝福も 群衆の中でケプカは「ひざを守ろうと」

2021/05/24 14:15
大群衆が取り囲んだ最終18番は異様な雰囲気だった(撮影/田邉安啓)

◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(23日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)

フィル・ミケルソンの勝利が近づいた18番ホールは異様な雰囲気になった。同じ最終組でプレーしていたブルックス・ケプカは「74」と落として、通算4アンダーの2位。50歳でメジャー制覇を達成したビッグレフティを祝福しつつ、ギャラリーとぶつかった手術後の右ひざの状態を心配した。

ミケルソンの勝利を確信したファンは、2打のビハインドを追いつく可能性のあったケプカにはお構いなしでフェアウェイになだれ込んできた。ホールアウト後、ケプカは「フィルにとって最高にクールだった。でも何度かひざを打ったことは楽しめることじゃない」とハプニングを明かした。

3月に手術に踏み切り、今大会は復帰から3試合目だった。パットのラインを読む際も十分に曲げて座ることができないでいる。最終ホールの混乱の中、「とにかくひざを守ろうとしていた。手術をしなければ誰も理解できないだろうが、リハビリの最中はそばに5人もいるだけでちょっとビクビクしてしまう」と最終局面で集中は難しかった。

「何度かぶつかった。リッキー(キャディのエリオット氏)が顔面を打たれて立ち止まったから、僕はキャディバッグに突っ込んでしまった」。ラウンド直後は患部に強い痛みはなかったが、念のためアイシングに専念するという。

2018&19年大会王者の31歳はメジャー5勝目を逃す結果となったが、ミケルソンのメジャー最年長優勝に賛辞を送った。19年後、20年後の自身のゴルフへの意欲を問われると「まず両ひざが元気でないとね」と一言。「フィルの優勝は本当に幸せだ。誰にとっても、僕にとっても希望になる。自分も50歳までプレーしたいけれど、ただ試合に出ることと試合で勝つことは全く違うことだ」と尊敬のまなざしを向けた。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)

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