最終日は一転南西からの強風に ケプカは“そんなの関係ねえ”
◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 3日目(22日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)
東西に長く伸びるキアワアイランド・オーシャンコースは、選手がプレーする一定の時間帯で同じ風向きになり、両端のホールでターンして逆向きの風を受ける。予選ラウンド2日間は北東からの強風。この3日目は弱まり、南東から吹いた。そして最終日は南西から、風速10m/s級の強風が吹き荒れる予報だ。
北東の風は終盤14番(パー3)からの5ホールに強烈なアゲンストの風を吹かせた。その逆になる最終ラウンドに向け、リッキー・ファウラーは「2週前にパトリック・カントレーと一緒にその風でプレーした。中盤のホール(向かい風になる5番から13番)は難しくなる」と明かした。ジョーダン・スピースも「違うコースに感じるだろう」と予想する。
戦況が大きく変わる可能性がある中、首位に1打差の2位につけたこの男は動じない。「問題ない。良いゴルフをするだけだ。風がどっちから吹こうが関係ない。ゴールは同じだ」とブルックス・ケプカは言い切った。3月に手術をした右ひざには依然痛みが残り、ラインを読むときに曲げることが難しい。直近2試合は予選落ちしていながら、2018、19年の大会王者は得意のメジャーで通算5勝目をにらんだ。
ムービングデーは「パッティングがキャリアで最悪の出来だった」と31パットを要したグリーンでのプレーを嘆きつつ「70」でまとめた。トップのフィル・ミケルソンに一時は5打差をつけられても「自分のことだけ心配した。彼のことはコントロールできない」と動じず、2オンに成功した16番(パー5)でこの日5つ目のバーディを奪った。
50歳のメジャー最年長優勝記録をかけ、ファンの熱烈な後押しを受けるミケルソンと最終組の2サムでぶつかり合う。「彼がどうするか見られるし、他の選手もみな前にいるから、リーダーボードがどうなっているかも把握できる。シンプルだ」。戦う相手が誰であろうと同じ、と言いたげだった。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)