「落ち着いてできた」メジャーに変化 松山英樹は想定以上の1オーバー
◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(20日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)
「思ったよりも悪いスコアにならなくて良かった」と安堵した理由は朝の練習にあった。ドライビングレンジでショットが思うように操れず、不安とイライラを募らせてティオフ。松山英樹は「マスターズ」王者として臨んだメジャーの最初のラウンドを「73」でまとめ、1オーバーでの発進に胸をなでおろした。
「パター以外はぜんぶヤバかった」という準備段階。それが「スタート(10番第1打)でフェアウェイに行った。それでなんとなく打っているのがひどくならなかった」。2ホール目の11番(パー5)で3打目のアプローチを1.5mに寄せてバーディを先行。直後の12番(パー5)で1mのスライスラインを右に外し3パットボギーを喫した後、東からの風がアゲンストになる14番以降も大きな乱れはなかった。
3つのバーディはすべてパー5(11番、2番、7番)で奪ったもの。ロングホール唯一のパーだった前半16番で「ボギーを打たなかった」ことに胸を張った。1Wショットを右の深いラフに曲げ、192ydを残した3打目は向かい風が壁となりグリーンにわずかに届かなかった。「ティショットがラフに入った時点で3打目も難しくなる」というホール。打ち上げのアプローチの後、2m弱のパーパットを沈めてピンチをしのいだ。
反省したのは後半3番のダブルボギー。強烈な砲台グリーンの右に2打目を落とし、ショートサイドから選択したロブショットがエッジの手前から足元に戻ってきた。続くチップで作戦を変え、傾斜にクッションを入れ4オンさせて2パット。「あそこに(2打目を)外した時点でボギーを覚悟しないといけない。ライが良かったのですごく悩んでしまった。一番確率が高いのかなと思ったが、結果的にもったいなかった」。ミスを最低限の結果につなげられなかったことを悔やんだ。
後半アウトでフェアウェイを外したのは2ホールだけ。ショットの状態は少しずつ回復していそうで、「自信を持って打てていないのが(頭に)引っかかっている」と視線はすぐにドライビングレンジへと向いた。「アグレッシブにピンに行けない。良くなれば(カップまで)15mのショットが10mになったり、グリーンを外しても、外す位置がラクになる」
メジャー王者として初めて臨んだメジャーでのプレー。「いままでは勝ったことがなかったので、そこに対して気持ちが入りすぎていた。きょうは落ち着いてできました」という余裕も良いほうに作用している。この日の午後、そしてあすのスタート前の練習課題は「ショットとパット」。たくさんの宿題を抱え込んだが、首位との差は開いていない。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)