2021年 マスターズ

「できると思ってベストを」 松山英樹が自己最高「65」でメジャー初制覇へ

2021/04/11 09:30
松山英樹が歴史を変える。18番ではスーパーパーセーブ(提供:Augusta National Golf Club)

◇メジャー第3戦◇マスターズ 3日目(10日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7475yd(パー72)

松山英樹が悲願のメジャー制覇を視界の中心に捉えた。首位に3打差の4アンダー6位からスタートし、1イーグル5バーディ「65」。悪天候による中断の後に一気にリーダーボードを駆け上がり、通算11アンダーとして単独首位に立った。

松山は前半9ホールで丁寧にパーを重ね、7番のバーディでひとつスコアを伸ばした。アーメンコーナーの入り口、11番で1Wショットを大きく右に曲げたところで雷雲接近のため中断。車の中でスマートフォンを眺めて休憩し、1時間18分後に再開すると、枝の下をアイアンで低く打ち出した第2打がピン右奥4mをとらえ、バーディを奪った。

「中断して悪いショットで終わった。その後、グッドショットが続いたので良かった」。3mのチャンスを生かした12番(パー3)での連続バーディで首位に並ぶと、15番(パー5)では、残り208ydからグリーン前後の池を恐れず5番アイアンで2オンに成功した。「(早藤将太)キャディと話したら、『5(アイアン)のしっかり(目)』と。『何言ってんだ』と思いながら」というスーパーショット。初日に8番、2日目に13番で決めたイーグルを、この日も記録し単独トップに抜け出た。

イーグルを奪った15番でサラゼンブリッジを歩く松山。栄光の架橋となるか(提供:Augusta National Golf Club)

世界屈指のアイアンショットがよみがえり、悩みのタネだったパットも安定。「中断の後から少しグリーンのスピードが落ちた。13番の3パット(パー)の後から良い感じで打つことができた」。16番(パー3)で1.2m、17番で3mを沈めて再び2連続バーディとした。

最終18番、グリーンを大きくオーバーさせた後の3打目のアプローチも60cmに寄せてノーボギー。5位に入った2015年大会最終日の「66」をしのぐ、マスターズでの自己ベストスコアを記録した。3日目を終えた時点での順位は16年の3位を更新。メジャーで初めて首位に立って最終日を迎える。

今年に入って思うようにいかない試合が続き、「期待はゼロ」として臨んだキャリアで10回目のオーガスタでの戦い。「この3日間、あまり(心に)波を立てることなくあまり怒らずできた。あしたはそういうことが大事になって来ると思う。それができればすごくチャンスがあるんじゃないかと思います」と言った。

日本人が初めてメジャー大会に出場したのは89年前、宮本留吉が単身で乗り込んだ1932年の「全英オープン」。この「マスターズ」は1936年に陳清水、戸田藤一郎が初挑戦した。以来、日本人男子のレギュラークラスで90年近くにわたって手が届かなったメジャータイトル。「できる、と思ってベストを尽くしたい」。松山英樹が歴史を変える。

※編注:本文1段落目「3アンダー6位からスタート」を「4アンダー6位からスタート」に修正しました(11日午後2時45分)

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