2021年 マスターズ

松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/17番(パー4、440yd)

2021/04/07 19:00
アンジュレーションの大きなグリーン。17番はバンカーにも入れたくない(Jamie Squire/Getty Images)

ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。17番にはかつて米国の元大統領との逸話があった。基本的には真っすぐなパー4だが…。

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1953年から2期8年にわたって米国を率いたドワイト・アイゼンハワー氏は歴代大統領の中でも屈指のゴルフ愛好家として知られていた。オーガスタナショナルの17番の左サイドにはかつて松の大木があり、ティショットでたびたびぶつけていた大統領は在任中の1956年にクラブに伐採を要求。委員会はこれを拒否したことから、この木は「アイゼンハワーツリー(アイクツリー)」と呼ばれるようになった。

ところが2014年2月の大雪によってアイクツリーは倒れ、その年の春前に伐採されることに。第1打の視界が一気に広がったようで、松山は「僕は木が切られたことがイヤなんです。『あの木の右端を狙えばいい』という目印がなくなってしまった」と言う。

残すところ2ホール。17番は左サイドのアイクツリーがなくなって意外な変化も

「ティイングエリアでは、すごく広い手前からグリーンにかけてだんだん狭くなっているように見える。フェアウェイに置いたとしても、左サイドは要注意。ラフに近くなると、2打目で左からの木が邪魔になる。ピンがグリーンの右サイドならまだしも、センターや左にあると、直線的には狙えない。右サイドをキープしたいが、個人的には右を狙うと立ちにくい感じがあるんですよね」

第2打は砲台グリーンへの打ち上げになるため、落としどころが見えないが「7、8アイアン」では打てるだけに、きっちりと乗せたいところ。「手前のバンカーは深いけれど、これは“寄せやすい”バンカーでもある」。ピンと逆サイドへのショットはカップから傾斜で離れて行ってしまうが、特に注意すべきは奥にこぼすことだ。

グリーンは右奥が一番高く、手前にかけて速い。「強烈な“砲台”になっているので奥からのアプローチはピンが真ん中にあっても寄せづらい。ワンクッションを使っても、ダーッと2段グリーンを下っていってしまう。なんにせよ、ティショットをフェアウェイに置くことから始まるホールです」

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