2021年 マスターズ

松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/12番(パー3、155yd)

2021/04/02 19:36
美しいパー3にもワナが。手前のクリークに入るトラブルが続出

ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。「世界一有名なパー3」と言っても過言ではない12番に迫った。

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近年では2016年にジョーダン・スピースが「7」、20年にタイガー・ウッズが「10」をたたいた。マスターズの最終日にはわずか155ydのパー3で何かが起こる…。グリーンの手前にレイズクリーク(小川)が流れる12番は数々のドラマを演出してきた。

「距離自体はティからグリーンの左手前エッジまでで142yd。右手前でも154yd。プロゴルファーであれば9番、PW、さらい短いウェッジで打つこともある」

それほど短いホールを難解にしているのが、上空の風だ。「このホールは左隣の11番からの風と右隣の13番からの風がちょうどぶつかるところ。アドレスをとったときにフォローが吹いていたとしても、打った瞬間にいきなりアゲンストに変わることがある、判断が本当に難しい」

距離は短いパー3。松山は奥にあるバンカーとグリーンのあいだのわずかなエリアを警戒した

小川をクリアしても、グリーンの奥にも外したくない。松山は独自の視点で厄介なゾーンを指摘した。「奥のバンカーからのショットが特徴的。バンカーとグリーンとの間(短いラフ)が3、4ydある。バンカーショットがこのエリアに落ちると止まってしまいやすい。でも、直接グリーンに落ちると、下り傾斜で小川まで転がり落ちてしまう可能性がある。バンカーのすぐそばにグリーンがあれば、距離を出さずにスピンをかけたショットが打てるのに…」

距離のないパー3でも、ここでは「欲」との戦い。「ティショットでとにかくグリーンをとらえることが先決。タイガーは19年に優勝したときは、手前のバンカーのラインに打つセオリー通りの攻め方をした。そこから、右サイドのカップに対して12m近いバーディパットを打って、確実にパーを取った。それが一番安全」。慎重さこそがモノをいう。

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