FWキープの稲森佑貴 VS パワーのデシャンボー スタッツを比較してみた
◇世界選手権シリーズ◇WGCワークデイ選手権 最終日(2月28日)◇ザ・コンセッションGC (フロリダ州)◇7474yd(パー72)
2020年に「日本オープン」で2勝目を挙げた稲森佑貴が最終ラウンドで、「全米オープン」チャンピオンのブライソン・デシャンボーと同組で回った。
日本ツアーで2015年以降、フェアウェイキープ率のトップを譲っていない26歳はスコア「78」で通算3オーバー48位。対して世界屈指のロングドライブを誇る27歳は「69」で回り、6アンダー22位で終えた。稲森は圧倒的なパワーに「飲み込まれた」と言う。2人の4日間のスタッツを改めて振り返った。
■ ドライビングディスタンス
稲森/277.8yd(71人中71位)
デシャンボー/308.3yd(10位)
■ フェアウェイキープ率
稲森/89.29% (失敗は6回/2位)
デシャンボー/73.21% (15回/25位)
■ パーオン率
稲森/65.28% (35位)
デシャンボー/59.72% (54位)
デシャンボーの大会を通じたドライビングディスタンスは308.3ydの全体10位だったが、トーナメントの前半戦はティショットでフェアウェイウッドやアイアンで刻む回数が多かった。初日290.0yd、2日目291.2yd、3日目297.8ydから、最終日に354.2ydに伸びたのは攻め方を変えたところが大きい(稲森の最終日平均は276.4yd)。シーズンを通じたスタッツでは323.9ydで2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)に4yd以上の差をつけてトップにいる。
稲森の得意のティショットの正確性は健在だった。4日間を通じて89.29%のフェアウェイキープ率をマーク。ちなみに、彼を上回る数字91.07%を残したのは日本ツアーでもプレーするブラッド・ケネディ(オーストラリア)だった。
一方のデシャンボーは73.21% (15回/25位)だった。ただし、最終日はフィールドでもっとも高い92.86%(失敗1回)で、85.71%の稲森(2回)を上回った。飛びが圧倒的で、曲がりもしない。最終日の稲森は自身の調子が下降していた反面、“良いとき”のデシャンボーのゴルフを目の前で見たことになる。
■ スクランブリング(パーオン失敗時にパー以下で上がる確率)
稲森/60.00%(25位)
デシャンボー/51.72%(47位)
■ サンドセーブ率(グリーン周りからのバンカーから2打以下で上がる確率)
稲森/50.00% (36位)
デシャンボー/83.33% (1位)
※いずれもバンカーショットは6回
■ ストローク・ゲインド・パッティング
稲森/-8.788(70位)
デシャンボー/+3.610(12位)
稲森は今回の遠征で初めて米国本土でプレーした。日本のゴルフ場ではほとんど目にしないバミューダ芝への対応に苦労するのも無理はなかった。
その差はグリーン上で歴然とした。トータルのパーオン率でデシャンボーを上回った稲森だが、パット技術の指標であるストローク・ゲインド・パッティングで「-8.788」は全体の下から2番目だった。伸びしろは、まだあらゆるところにある。