2009年 全英オープン

【GDO EYE】石川のコースマネジメントはどこまで通用するのか?

2009/07/17 07:18
どこでもドライバーを振っていく石川遼のゴルフは、目の肥えたスコットランドのギャラリーにはどう映るのだろう?

タイガー・ウッズリー・ウェストウッド石川遼の3人の組についてメディア整理を担当していた英国人スタッフが、半ば呆れたように話しかけてきた。「彼はいつもドライバーを打つんだな…」。他の2人がアイアンでティショットを打つホールでも、石川はどんどんドライバーを振り抜いて行く。彼の目には、石川のゴルフが幼稚に映ったのかも知れない。

354ヤードの1番ホール、一番近い左のバンカーはティから224ヤード、その先も含めると左右に5つのフェアウェイバンカーが待ち受ける。前日はドライバーで打つと話していた石川だが、初日の1番ティで手にしたのは3番アイアン。クラブ選択の迷いを振り切る為に、「(キャディの)リーさんが抜いたクラブで、リズム良くアグレッシブに行こうとだけ考えていました」と、石川は言う。続く2番も練習どおり2番アイアンでティショットを放ったが、その後は得意のドライバーを多用した。

ウェストウッドは石川についてこう話す。「日本ツアーでの優勝が証明しているように彼は良い選手だ。しかし、ゲームプランやコースマネジメントは彼が17歳だということを表している。タイガーが2番アイアンで刻むところでも、彼はドライバーで打っていく。時間が経てば、そのことを勉強するだろう」。

初日、2位タイにつけたトム・ワトソンもリンクスでは経験が重要だという。「(リンクスで)あまりプレーしたことの無い選手が慣れ親しんでいないショットが確かにある」。それでも、石川は自分のプレーを貫いて――それしか選択肢が無かったにせよ――2アンダーで回ったのだから立派なものだ。

石川の父・勝美氏は「タイガーのプレーは計算し尽されているけど、遼とはやっているゴルフが違う。今はタイガーが一番強いから、タイガーのゴルフがいいってなるけど、自分が一番になったらそのゴルフが一番ってことになる。そっちを目指すのかは、しばらく経ってみないと分からない」と、今の道を貫く可能性も否定しない。

ドライバーで真直ぐ350ヤード飛ばして攻めていく。今は絵空事のように聞こえるかも知れないが、もしかしたら数年後、そんなゴルフが世界の憧れの的になっているかも知れない。(編集部:今岡涼太)

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