米国男子ツアー

ゴルフきょうは何の日<2月12日>

2021/02/12 10:00

1984年 衝撃の敗戦から一年 ジャック・レナーがリベンジV

ジャック・レナーは日本中の歓喜の裏で涙した男だった※撮影は1983年「マスターズ」(Augusta National/Getty Images)

PGAツアー「ハワイアンオープン」でジャック・レナーがツアー通算3勝目を挙げた。

最終18番(パー5)でバーディを奪い、首位を走っていたウェイン・レビに並ぶ通算17アンダー。決めれば優勝という1.2mのバーディパットをレビが土壇場で外し、勝負はプレーオフにもつれ込んだ。プレーオフ2ホール目でレビが短いパーパットをミス。レナーが丁寧にウィニングパットを沈めて決着をつけた。

レナーにとってPGAツアーでの最後の優勝には、一年前から“伏線”があった。前年大会最終日の1983年2月13日。18番で2オンに成功したレナーはイーグルパットこそカップに蹴られたものの、バーディ締めで通算19アンダーと単独首位でホールアウトした。

すぐ後ろの最終組をプレーしていた青木功がティショットを右ラフに入れ、2打目も左ラフ。PWで放った青木の3打目はピンの手前でワンバウンドして吸い込まれ、逆転のチップインイーグルとなった。

後にレナーは少し離れた18番グリーンの大歓声を聞いた瞬間を「青木がバーディチャンスにつけてプレーオフが決まったのだと思った」と振り返った。日本人初のPGAツアー優勝を成し遂げて歓喜する青木、敗戦を受け入れられずにスコア提出所でペンを握ったまま呆然とするレナー。残酷なコントラストは大会の名シーンとして語り継がれている。

レナーが制した84年大会にはディフェンディングチャンピオンの青木も出場し、通算9アンダー13位だった。