遼、初体験の連続に「育てられている感じ」
「全英オープン」に初挑戦する石川遼が、会場となるターンベリーGCで3度目の練習ラウンドを行った。この日は途中で雨が降ったり、風が吹いたり、はたまた日が差して暑くなったりと、天候がコロコロ変わり、石川も「やっとイギリスでやっていると実感しました」と、一日の中に四季があるといわれるイギリスの気候を初体験した。
「ゴルフのスコアだけ考えれば良いわけじゃなく、そこにもしっかり対応しないといけない」という石川。雨が降ると素振りの回数が少なくなったり、横風に対して無意識にアドレスとは違うところに打ち出そうとしてスイングを崩したりと、「内面と戦わなくてはいけない」と天候による微妙な変化を警戒した。
とはいえ、イギリスに入ってから「調子は本当に安定している」と笑顔を見せる。初めてのリンクスコースを前に、英国人キャディのリー・マッカラン氏からは細かく狙いどころを教えられ、「172ヤードを打ってくれとか言われると、引き締まって打てますね」と、石川もその期待に応えようと懸命だ。
この日はグリーン周りのアプローチで、7I以下のすべてのクラブを使うなど、石川にとって初めての攻め方は刺激的。「残り30ヤードでピンまでマウンドがいくつもあって。本当にイメージというか、距離感と感性になってくる。グリーン周りではリーさんのクラブ選択を優先して打ちますね」。転がして寄せるスコティッシュ・ゲームを実体験し、「(キャディに)育てられている感じです」と、楽しみながらゴルフの幅を広げている。
ラウンド中、タイガー・ウッズとニアミスした石川。直接会話することは無かったが、キャディからは「タイガーと回るぞ」とはっぱを掛けられた。「(来るのが)早いですよね。タイガーが日曜日なら、僕はその前の前の日曜日に来るべきでした」と苦笑いを浮かべたが、「チャンスが無い訳じゃない。2日間、パープレイならチャンスはあると思う」と徐々に戦闘モードに入ってきた。