復活Vのイングリッシュ「まだ満足していない」
◇米国男子◇セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ 最終日(10日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7596yd(パー73)
最後の勝利から数えて193試合。プレーオフ1ホール目で2m強のバーディパットが残っていた。「もちろん緊張したよ。でも、少し左に切れるラインだったので、カップ右内側を狙って少し強めに打ったんだ」。このパットをカップに沈めたハリス・イングリッシュは、8年ぶりとなる勝利に右手拳を強く握った。
18-19年シーズンはフェデックスカップランク149位。一時はフル出場の資格を失った時期もある。だが、「シーアイランド(ジョージア州)でチームのみんなが支えてくれた。誰もギブアップしなかった」と、ともに苦境を乗り越えたコーチ、トレーナーらに感謝した。「昔から、こういう状況が好きだったんだ。子供のときも、バスケットボールで時間切れ寸前にボールを持つと興奮したよ」
首位から出た最終日は、チャンスホールの終盤16番(パ-5)でボギーをたたき、首位のホアキン・ニーマン(チリ)に1打ビハインドとなった。「緊張したわけではないけど、悪いショットを打ってしまった。でも、自分が良いプレーをしていることは知っていたんだ」
72ホール目の18番(パー5)も、3Iでピンそば3mにつけるスーパーショットで一気に逆転のチャンスを得たが、イーグルパットはカップの底をたたかなかった。「(入らなかったけど)良いパットを打ったし、今週ずっと良いパットを打てていた。それを信じないといけない。自分に自信を持たないといけないんだ」と、最後まで自分自身を信じ続けた。
肩の荷が下りたという2013年以来のツアー優勝。31歳のイングリッシュは「あと2年と少し、職場を確保できたことが嬉しいよ。ここは1年契約みたいなところだから」と喜んだが、決して望みが低いわけではない。「まだ満足していない。まだ成し遂げたいことがあるんだ」と、貪欲にこの先のキャリアを見据えた。(ハワイ州カパルア/今岡涼太)