2020年 ザ・CJカップ

デイの棄権から“マッチプレー”に コクラック初Vの巡り合わせ

2020/10/19 13:00
コクラックは同組で回ったシャウフェレを破った(Christian Petersen/Getty Images)

◇米国男子◇ザ・CJカップ@シャドークリーク最終日(18日)◇シャドークリークGC(ネバダ州)◇7527yd(パー72)

ツアー通算233試合目、ジェイソン・コクラックにとって悲願の初優勝は、いくつもの巡り合わせが重なって生まれた。3打差2位からスタートすると、同伴競技者のジェイソン・デイ(オーストラリア)が首を痛めて早々に棄権。ザンダー・シャウフェレとの“2サム”が、そのまま優勝争いの中心になった。

5つ伸ばして折り返し、後半10番では6m、11番では5mのバーディパットを立て続けに沈めた。シャウフェレも11番からの3連続バーディで応戦。「ザンダーが13番で14mのロングパットを決めたとき、マッチプレーのような感覚に陥ったよ」。目の前のライバルによって集中力を研ぎ澄まされ、リードをもって迎えた18番(パー5)もバーディで締めて通算20アンダーに乗せた。

昨季ドライビングディスタンス312.4ydでツアー7位に入った飛ばし屋ながら、今週際立ったのはパッティング。4日間トータルのストロークゲインド・パッティングは出場選手中トップの「+10.293」(1ラウンドあたり+2.573)を記録。この部門でフィールド1位に立つのは、35歳の短くないキャリアにおいても初めてのことだった。

最終日はパットを決めまくったコクラック(Christian Petersen/Getty Images)

「非常にグリーンを読むのがうまい」とコンビを組んで3年半になるキャディのデビッド・ロビンソン氏を持ち上げたが、勝手知ったるコースだったことも大きい。コロナ禍で韓国から1年限定で会場を移したネバダ州ラスベガスのコースを所有するMGMリゾーツのアンバサダーを務め、当地でのラウンド経験は20回どころではない。「ここのグリーンのことはよく知っている。地元のキャディさんとまではいかないけど、居心地のいい場所なんだ」と笑う。

これで2021年4月開催の「マスターズ」出場権も獲得。2シーズン前に最終戦「ツアー選手権」に進出し、すでに初出場の切符をつかんでいたが、4月に行われるはずだった大会は11月に延期された。「2人の息子と一緒にプレーするパー3コンテストは、きっと特別なものになると思っていたんだけど、ことしは家族が来られないんだ。2021年大会の出場権を獲得できたのは大きい。初出場も楽しみだけど、家族が観戦できるのは特別だからね」と二重の喜びに浸った。(ネバダ州ラスベガス/亀山泰宏)

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