コーチと関係解消のデイ 新しい“指導者”はタイガー・ウッズ?
◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 事前情報(26日)◇オリンピアフィールズCC(イリノイ州)◇7366yd(パー70)
ジェイソン・デイ(オーストラリア)が、恩師と袂を分かつことになったのが先月末のこと。元世界ランク1位はスイングを新たに見直す中で、“強力すぎる”パートナーを得た。数日前、自ら電話をかけた相手は親交の深いタイガー・ウッズだった。
学生時代から20年にわたって師事してきたコリン・スワットン氏は、デイが12歳のときに他界した父の代わりともいえる存在だった。選手とキャディとしての関係を解消した2017年以降もコーチとして指導を仰いできたが、今夏に20年来の名コンビは互いの道を歩むことになった。
3週前のメジャー「全米プロ」を含め、ここ5試合でトップ10入り4回の成績を残しているデイだが、かねて腰痛への不安を抱えている。そこで、過去に度重なる手術も経験しながら肉体と向き合ってきたウッズに相談した。
「彼の腰の状態が僕よりもはるかに悪いのは知っているけれど、これ以上自分を痛めつけないようなスイングについて話を聞いている」。ダウンスイングで体を回転させる際の腰のポジションを確認。インパクト時に体が伸びきることで痛みが増幅していること、パッティング時の患部への負担といった問題点も洗い出した。
デイが荒れた少年時代、ウッズの本を読んで一念発起したのは有名なエピソードのひとつ。「彼は公の場ではあまりスイングについて話さないけれど、ものすごく詳しいんだ」と、貴重な意見をトレーナーとの体づくりにも役立てる考え。ウッズも「ジェイソンとは長年良い関係を築いてきたし、共通の話題を抱えてきたこともあって何度も話し合ってきた。スイングが進化する中で、昔はできたことができなくなっている。ただし回復の技術もコンディションの向上技術も日に日に変わっている」と協力を惜しまない。
「82勝もした人の言うことには耳を傾けるべきだろう。僕の電話に入っているスイング(動画)は自分のものか、タイガーのもの。友達からタイガーのスイングをもらったときは、本人に直接送って話すんだよ」とデイ。新しい“相棒”は似た悩みを持つ頼もしいレジェンドだ。