自宅&会場検査「陰性」でPGAツアーに復帰/チーム松山リポート
新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していた米男子ツアーが6月、約3カ月ぶりに再開した。松山英樹は2戦目の18日開幕「RBCヘリテージ」で戦線復帰する。ウイルス問題が解消されたわけではなく、ツアーは無観客での開催を続け、各試合で検査や隔離体制を整備。未知の体験、試行錯誤の連続…参戦7シーズン目にして味わう“非日常”を、松山をサポートするスタッフたちがリポートした。
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首位発進を切りながら、中止となった3月の「プレーヤーズ選手権」後に一時帰国していた松山は、5月末に早藤将太キャディと再渡米した。東京-米国間は羽田空港からの出国便も多いが、コロナ禍で便数が制限された影響で今回は成田から飛んだ。シカゴでの入国はスムーズで、その後自宅のあるフロリダ州オーランドへ。選手・関係者の渡航に際しては事前にフライト情報などをPGAツアーに報告。それが奏功したのかもしれない。
ただし、米国の国内線も通常時より便数が少なく、後から飛んだ飯田光輝トレーナーは成田からシカゴ到着後、シャーロットを経由する長旅を強いられた。シャーロットの空港は「人でいっぱい。7割くらいの人がマスクをしていたように見えた」という。
オーランドでの2週間の自主隔離中、松山と早藤キャディは事前のPCR検査を受けた。自宅に送られてきたキットに唾液を検体として採取しニューヨークの医療機関に郵送。2日後にメールで届いた結果はどちらも陰性だった。晴れて隔離期間を終え、ようやく開放的な気分になれたのが前週末のことだった。
オーランドから「RBCヘリテージ」の会場、サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランドまでは車で5時間超の距離にある。前週テキサスでの「チャールズシュワブチャレンジ」に出場した選手の多くが、ツアーが用意したチャーター機を使用した一方で、松山も感染リスクの少ない自家用車で当地に入った。
大会が行われる地域に到着してからは、コース入りする前にまずPCR検査を受ける必要がある。今週は近隣の学校の駐車場が検査エリアになった。医療機関であるサンフォードヘルスの大型車両(車内で検体をテストするバン)が配置。周辺に5つほど設けられた仮設テントに各人が分かれ、検査技師に採取棒を鼻腔に突っ込まれる。「綿棒で鼻の奥を触られている感じ…。僕は10秒以上かかりました。松山プロは『プールで鼻に水が入ったときみたい』と話していました」(早藤キャディ)。普段はクラブハウスなどで実施される大会出場のための現地エントリー(レジスト/出場登録)も、その場で行われた。
検査結果が出るまでの間(2~4時間)、選手はコース内での練習が認められている。チーム松山は当日、検査後にそのまま宿泊ホテルに向かった。夕食時に届いたメールはここでも「陰性」。まずは胸をなでおろして試合に臨める。