主将アーニー・エルスが見据える「プレジデンツカップ」の未来
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 最終目(15日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
大会中、コース内のリーダーボードには両チームを比較するデータが表示されていた。2019年の米ツアー勝利数は世界選抜の「2」に対し、米国選抜が「10」。世界選抜にはアダム・スコット(オーストラリア)、ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)、松山英樹、マーク・レイシュマン(オーストラリア)の4人しかいない世界ランキング30位以内が米国選抜には12人(つまりチーム全員)いること。昨シーズンの米ツアーポイントランキングのトップ30に世界選抜が5人、米国選抜が11人いたこと…。
それでも、ダブルス戦を終えた段階では、21年ぶりの勝利を目指す世界選抜が10-8と2ptリードしていた。10ptを積み上げて最終日を迎えるというキャプテンのアーニー・エルス(南アフリカ)のプラン通り。シングルス戦こそ地力に勝る相手に逆転を許して2pt差で敗れたが、決着は全30マッチのうち、29マッチ目の後半17番までもつれた。
エルスは「ほかのスポーツにおいて、机上で我々のチームと相手を比較したら笑われるだろう。しかし、史上最も偉大なチームのひとつに対し、番狂わせに近づいたんだ。初出場の選手が数多く(7人)いて、ベテランがいて、みんなが100%の力を発揮した」と、選手たちをねぎらった。
13回目を迎えた大会で、最多となる「9」の国と地域から集った世界選抜。まとめる立場の難しさも痛感した。米国選抜のタイガー・ウッズ主将も交え、選手の選出方法の変更を交渉していたことを明かしている。さらに「欧州のものであり、米国のものでもある『ライダーカップ』では、その2つのグループが激突する。『プレジデンツカップ』は米ツアーのイベントだ。我々は彼らの屋根の下で、たくさんのものが1本の傘に入って戦わなくてはいけない。説明が難しく、長い長いプロセスが必要なことはわかっているが、米ツアーとは切り離していく必要があるのではないか」と語った。(オーストラリア・メルボルン/亀山泰宏)