ウッズ組と演じた好勝負 松山英樹の一貫した戦略からにじむ入念な準備
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 2日目(13日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
一進一退の好勝負は、最終18番の劇的なバーディ決着で幕を閉じた。タイガー・ウッズとジャスティン・トーマスの咆哮を見届けた松山英樹は「最初は獲られて、(獲り返して)うまく途中まではいったんですけど、なかなか(相手が)粘り強いというところで、僕たちもポイントをあげることができなくて残念ですけど…」と悔しさをにじませた。
フォアサム(1つのボールを交互に打ち、1ホールごとのスコアを競う)で組んだアン・ビョンフン(韓国)との初コンビは、事前の練習ラウンド通り偶数ホールのティショットを担当。松山はトーマス、アンはウッズと打ち合う形となった。スタートから4ホールで2ダウンという劣勢も、松山が相手のグリーン上のプレーに重圧をかけて巻き返した。6番で2.5mのバーディパットを先に沈めて力強く拳を握ると、トーマスが1.5mを外して反撃開始。7番もトーマスが2打目でグリーンを外した直後、すかさず3m弱に絡めてタイに戻す。8番もグリーンの左手前からアプローチをしっかり寄せてOKパー。ウッズがパーパットを決められず、一気にリードを奪った。
ホールごとに異なるボールを使用可能なフォーマット。グリーンを狙う2打目を担当する選手の使用メーカー球に合わせる戦略もあるが、初出場のアンへの配慮か、ボールは一貫して松山が普段使わないタイトリスト製で通した。15番(パー5)では残り251ydから2オンに成功するなど、要所で持ち味のショット力を発揮。入念な準備をうかがわせた。
18番、5mのバーディパットを待つトーマスの前に打ったバーディパットは、わずかにカップをそれた。大会2度目の対戦となったウッズ相手に初勝利はならなかった。「あすに切り替えて頑張りたい」。悔しさを晴らす次のマッチが、すぐに始まる。(オーストラリア・メルボルン/亀山泰宏)