“監督兼選手”ウッズ 若き精鋭たちに語った1敗の記憶
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 事前(10日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
プレジデンツカップでの“監督兼選手”は、1994年の第1回大会のヘイル・アーウィン以来2人目となる。それがあのタイガー・ウッズとなれば、さらに注目度は跳ね上がる。世界選抜のキャプテンを務めるアーニー・エルス(南アフリカ)とともに出席した会見では、冒頭から矢継ぎ早にウッズへ質問が飛んだ。「ペアリングは最初に自分のペアから決めるのか、それともほかのペアリングから決めていくのか?」。投げ込まれた直球を「チームファーストだ」と冷静に打ち返した。
プレジデンツカップのため7日(土)フィニッシュに変更されたホスト大会「ヒーローワールドチャレンジ」を終えると、同大会に出場した米国選抜のチームメートたちと26時間のフライトでオーストラリア入り。カードゲームに興じるなどリラックスムードの機内だったようだが、百戦錬磨のレジェンドは引き締めるポイントを心得ている。「1998年に何が起こったかを話した。若い選手たちは、まだオムツをしていたころの話だ」。米国選抜が唯一の黒星を喫した98年大会にウッズも名を連ねていた。舞台は今回と同じロイヤルメルボルンGCだった。
練習ラウンドでも主将と選手の顔を使い分ける。チームメートがグリーンを入念にチェックする様子をじっと観察し、自分の練習はパターで2球ボールを転がしただけかと思えば、次のホールでは先んじてティショットを放つ。「すべてのトーナメントはゼロから始まる。それは変わらない」。米国選抜有利との下馬評にも淡々と応じ、準備を積み重ねた。ちなみに94年大会のアーウィンは2勝1敗とポイントを稼ぎ、チームを勝利に導いている。(オーストラリア・メルボルン/亀山泰宏)