攻め続けた松山英樹「1個しか伸ばせない時点でチャンスはなかった」
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 最終日(28日)◇アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ◇7041yd(パー70)
首位のタイガー・ウッズを3打差2位から追った残り6ホール。松山英樹は伸ばすことしか考えていなかっただけに「残り6ホールで1個しか伸ばせない時点でチャンスはなかった。最低でも3つ、4つは必要だと思っていたので、そういうプレーがで出来なくて残念でした」と口調に悔しさを込めた。
出だしの13番(パー3)でピン右7mのチャンスにつけたがパー発進。14番(パー5)で1Wを振り抜くと「フォアー!」と叫んだ。フェアウェイ右のロープを超え、ラフにつかまったが、レイアップ後の3打目をピン奥1.2mへつけてバーディチャンスをつくった。しかし、カップ右をなめてパー。グリーンを降りると、自分自身に(何をやっているんだ)と言わんばかりに右足をポンとたたいた。
波に乗り損ね、続く15番では「ミスが続いた」とフェアウェイ右サイドからの2打目をピン手前10mへショートし、2パットでパー。それでも、16番(パー3)でピンの右奥から7mのフックラインを読み切ってバーディをもぎとり、右の拳を握った。ウッズとの差を2打として、上がり2ホールへ。
17番でフェアウェイからピン手前5mにつけてバーディチャンス。「自信を持って打ったんですけどボール1個違った感じですね」と、微妙なスネークラインに揺れたボールはカップの左をかすめ、体をのけぞらせて悔しがった。2打差のまま迎えた最終18番。3Wでのティショットを右のフェアウェイバンカーへ入れると、ヘッドカバーでクラブを叩いた。
「イーグルを獲れば“ワンチャン”追いつけるかもしれない」と最後まで諦めなかった。グリーンが空くのを待つと、「普通だったら持たない」3Wを握り、残り267ydから2オンを狙った。直線では狙えなかったため、スライスをかけたが、曲がり切らず左のガードバンカーへ。バンカーからの3打目もカップを狙ったが「まだ技術が足りない」と大きくオーバー。攻め続けた結果、パーで終えた。
前日から2日間にわたったファイナルラウンドを、5バーディ2ボギーの「67」とし、ウッズとの3打差を縮めることは出来ず2位でフィニッシュ。2017年8月「WGCブリヂストン招待」以来、2年ぶりの米ツアー6勝目を、母国で挙げることは叶わなかった。
2018年11月「ダンロップフェニックス」以来の日本での試合。大雨の影響で金曜日は中止となり、土曜日は無観客試合となったが、そのほかの日は多くのギャラリーからの大きな声援が松山の背中を押した。「自分の状態はそんなに良くなかったですけど、たくさんのギャラリーの方々の応援のおかげでショットもぶれずに済みましたし、パットも入ってくれた」と感謝する。
前週の「ザ・CJカップ」(韓国)は3位。2週連続の上位フィニッシュに「悪くはないと思うので、いい状態をキープしていきたい」と前を向いた。(千葉県印西市/柴田雄平)