コース変更もWGC初優勝の追い風に ケプカが年間王者へ弾み
◇世界選手権シリーズ◇WGCフェデックス セントジュード招待 最終日(28日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7237yd(パー70)
大舞台での強さも、世界ランキング1位が備える資質なのだろう。2位から出たブルックス・ケプカが「65」でプレーしてロリー・マキロイ(北アイルランド)を逆転、通算16アンダーとして世界ゴルフ選手権(WGC)初優勝を飾った。
昨秋の「ザ・CJカップ@ナインブリッジ」、5月「全米プロゴルフ選手権」に続き、米ツアーでは自己最多となるシーズン3勝目。同年にメジャーとWGCを制したのは2016年のダスティン・ジョンソンに続いてツアー史上5人目となり、メジャー通算4勝の華々しいキャリアに新たな勲章を加えた。
今季からメーンスポンサーが変わり、装いを新たにした今大会は、会場を昨季まで通常大会の「フェデックス セントジュードクラシック」が開催されていたTPCサウスウィンドに移動。この変化も、ケプカにとってWGC初優勝への追い風になった。同大会は例年「全米オープン」の前週にあり、スキップする選手が多い中、ケプカは2014年から5年連続で出場。勝利こそなかったものの15年に3位、16年に2位と好成績を収めてきた。
「僕はこの場所が大好きなんだ。5年続けてプレーをしてきたから、ツアーでもっとも知り尽くした場所のようにも感じている。そして、こうやって勝つことができた。特に今はWGCになったわけだからね。信じられない気分だよ」
2週後には年間王者を決めるプレーオフシリーズ(全3試合)がスタートする。ケプカはポイントランキング1位で初戦を迎えることが確定。次週のレギュラーツアー最終戦「ウィンダム選手権」はスキップし、初の年間タイトルに向けて準備を整える。「そんな先のことは考えていなかったけれど、成し遂げることができれば素晴らしいことだ」。最高のフィナーレに向けて、ツアー最強の男がこれ以上ない弾みをつけた。(テネシー州メンフィス/塚田達也)