2019年 ANAインスピレーション

畑岡奈紗メジャー初制覇ならず 後輩が追う背中

2019/04/08 12:31
前半にスコアを伸ばした畑岡だったが…

◇米国女子メジャー◇ANAインスピレーション 最終日(7日)◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6834yd(パー72)

今季メジャー大会初戦の最終日、畑岡奈紗は4バーディ、4ボギーの「72」とスコアを伸ばせず、通算2オーバーの39位で4日間を戦い終えた。前週、ツアー通算3勝目を飾った畑岡だったが、初のメジャー制覇には届かなかった。

前半を2アンダーで折り返したが、後半はボギーが先行して2オーバー。「フロントナインをやっとアンダーで回ってこられて勝負の後半だったけど、フェアウェイからボギーを打ってしまったことが2回あった。良いポジションからだったので、そういうところでチャンスを作っていかないとトップ10には入れない」。

もともと難易度の高いメジャーセッティングだが、連日の好天でさらにグリーンの硬さは増した。それでも、ピンを攻め続けた。「(ボギーにした)10番の2打目は120ydちょっと。PWでグリーンには届くけど、それだとピンハイまでいけない。9Iでコントロールして打ったら、それが奥のラフに入ってしまった」。攻めきった手ごたえはある。「でも、1個のボギーで流れが変わってしまうのがメジャー。もう少し拾えるところで拾っていれば…」と反省も忘れなかった。

目標にしていたメジャー制覇だが、「4日間大会が続く中で、体力面もちょっと続けるのは難しいと思った」と2週連続優勝の壁は想像以上に高かった。「調子はよかったので、それに結果が伴わなかったのは悔しいです」。だが、今季だけでまだ4つのメジャー大会が残されている。

20歳の畑岡は、すでに後輩たちへの“インスピレーション”も与える立場になっている。今週、ロープ外にはギャラリーに混じって、山口すず夏長野未祈という二人の18歳の姿があった。

マンデー予選を受けて1打届かなかった山口だが、「こういうことを乗り越えていかないといけない」と、ツアーの先輩の背中を懸命に追い掛けている。一方、畑岡がアマチュア優勝を果たした16年の「日本女子オープン」で3日目まで首位にいた長野は、今年は国内のプロテストを受験せず、フロリダ州にある短大に進学することを決意した。「将来的にこっちでやりたいなら、こっちで練習した方がいいとみんなに言われた」からだという。

「メジャー優勝」を目標に掲げる挑戦者の畑岡は、同時に多くの後輩たちがその後を追う若きフロントランナーでもある。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/今岡涼太)

高校を卒業し、アメリカの短大進学を決めたという長野未祈

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