2018年 全英リコー女子オープン

41年ぶりメジャー制覇へ 比嘉真美子「何があるか分からない」

2018/08/05 06:21
比嘉真美子は3打差4位。長いパットを決め、豪快に拳を握った

◇海外女子メジャー◇全英リコー女子オープン 3日目(4日)◇ロイヤルリザム&セントアンズGC (イングランド)◇6585yd(パー72)

待ちわびたリンクスでの優勝争いは現実になる。2位から出た比嘉真美子は「71」で回り通算10アンダーの4位で3日目を終えた。トップとは3打差に開いたが、1977年の樋口久子以来となる日本人女子2人目のメジャー制覇に届く位置を守った。

青空が広がり、心地良い風が吹いた。前半4番で15mほどのバーディパットをねじ込み、飛び跳ねるように右拳を握った。世界ランキング8位のミンジー・リー(オーストラリア)と同組で「うまく回れていた」。折り返し時点で3打伸ばした。緊張しなかったというが、終盤に2打失った。最終18番ではグリーン奥からパターで転がしたボールがカップをそれてボギーとし、両膝を折った。

しかし、スコアを提出するとすぐに笑顔を見せた。警戒するポットバンカーを避けるため1Wの使用回数を「5回以下」とし、3日間を通じて1打目をバンカーに入れていない。冷静なマネジメントが快進撃を支える。「この舞台でやれていることが本当に楽しい。あしたは勝負が終盤になる。そのとき上位にいたら、どんな気持ちになってくるんだろう」

パットが決まらず両膝を折って悔やむ比嘉真美子

幼いころ、男子の全英を含めリンクスコースをテレビで見た。2013年にゴルフの聖地、セントアンドリュースで行われた「全英女子」で7位になった。翌年も出場したが、予選落ちした。「今年は全英出場を目標にしてきた」と思い入れは強く、出場権を得る前から普段試合に帯同しない佐保豊トレーナーに今大会期間の日程を空けるように依頼した。「リンクスでやる全英に戻ってきたかった」。春先に見せた決意の表れだった。

快挙に向けて得たチャンス。「リンクスでは何があるか分からない。比嘉真美子という選手のベストを1打1打で尽くすだけ」。リンクスの風を引き寄せる。(イングランド・リザムセントアンズ/林洋平)

2018年 全英リコー女子オープン