驚異の31アンダー キム・セヨンは伸ばし合いにめっぽう強い
◇米国女子◇ソーンベリークリークLPGAクラシック 最終日(8日)◇ソーンベリークリークGC(ウィスコンシン州)◇6624yd(パー72)
米女子ツアー4年目の25歳キム・セヨン(韓国)が、ツアーの72ホールの最多アンダーパー記録を4打更新する通算31アンダーで優勝した。
ゴルフのスコアは選手の技術力やコンディションだけでなく、コースとの相性、コースセッティング、天候といった様々な要素に左右される。大会は今年が2回目で、昨年の第1回の優勝スコアは通算22アンダー(キャサリン・カーク)。スコアが出やすい大会だとは言える。
畑岡奈紗は開幕前、「グリーンはきれいで、距離もそんなにないので攻めていきたい」(WOWWOWのインタビュー)と語っており、今年も初日から伸ばし合いの展開となった。
今回でツアー7勝目のキムは、マッチプレーを除く6勝のうち、5回が2桁アンダーでの勝利だ。2016年「JTBCファウンダーズカップ」での27アンダーは、これまでのツアー記録(01年「スタンダードレジスター ピン」のアニカ・ソレンスタムとタイ)だった。がまんのし合いより、伸ばし合いに強い選手なのは間違いない。
「アニカとタイになった後、新しい目標ができた。記録を破りたいと思ってやってきた」。一人旅となる中、キムは記録更新を見据えてプレー。最終的に後続を9打引き離した驚異的なスコアは、スタッツからも裏付けられる。
4日間の平均飛距離は274.88ydとトップクラスだが、フェアウェイをとらえたのはパー3を除く56ホール中43ホール。これは2位のカルロタ・シガンダ(スペイン)や3位タイのエマ・タリーより劣る。
一方で、パーオンを逃したのは72ホールのうち5ホールだけだ。1ラウンドの平均パット数は「28.75」と好調だった。この結果、1つのイーグルと31個のバーディを量産した。31バーディはツアー新記録となった。スコアを落としたのは2日目の17番(パー3)のダブルボギーだけで、キムは「ミスショットはその1回だけだった。クレージーだわ」と笑った。
<キム・セヨンが達成したツアー記録>
・72ホールの最多アンダーパー
31アンダー(4打更新)
・72ホールの最少ストローク
257(1打更新)
・54ホールの最多アンダーパータイ
24アンダー
・72ホールのバーディとイーグルの合計
32個(2個更新、バーディ数31も新記録)