世界10位が米女子ツアー撤退を表明 突然の韓国ツアー復帰
世界ランク10位のジャン・ハナ(韓国)が米国女子ツアーから撤退し、6月から母国の韓国女子ツアーに戻ることを23日、記者会見で明らかにした。25歳のジャンは2015年から米国ツアーに参戦して4勝。「世界1位になることだけが目標だったが、それよりも大事なことがあると気付いた」と理由を説明した。
「4勝することができたけど、まだ空虚さを感じる。世界のトップゴルファーになることよりも、家族とともにいることの方が大事だと思ったので決断した」
シーズン途中に米ツアーを去る理由について、ジャンは「家族とともにいること」と何度も強調した。その一方で、「チョン・インジとは“その出来事”について、すでにたくさん話し合った」とも話し、今回の決断と“出来事”との関連については否定した。
出来事とは、昨年3月にシンガポールで開催された「HSBC女子チャンピオンズ」を前に、チャンギ空港のエスカレーターで、ジャンの父が落とした約7kgのキャリーバッグが、チョン・インジの背中に当たった事故。チョンが欠場を余儀なくされた同大会でジャンが優勝し、同年のスーパーボールでビヨンセの行ったパフォーマンスを真似たダンスを披露して喜びを表現し、話題となった。
#tbt to Hana Jang's @Beyonce inspired celebration at the 2016 #HSBCWomensChamps pic.twitter.com/N00M6M9B8Y
— LPGA (@LPGA) 2017年3月2日
また、当時は、リオデジャネイロ五輪の韓国代表争いが熾烈を極めていたが、この勝利により、ジャンが一時的に世界ランクでチョンを逆転して代表圏内入りを果たしたため、五輪熱の高い韓国では、チョンのファンを中心に猛烈な批判が湧き起こった。結果的に世界ランクで再逆転したチョンが代表権をつかんだが、ジャンの評判にはこの際の因縁が付いて回ることとなり、この1年、ジャンは入院するなど原因が明らかにされない体調不良もあったため、今回の米国撤退との関連性が注目を集めていた。
ジャンは2013年に賞金女王となるなど韓国ツアーでも通算8勝。今季の韓国ツアーは詳細未定も含めて年間32試合が組まれており、年々試合数も増加傾向という。ただ、米国ツアーから主戦場を戻すケースはほとんどなく、「気持ちが疲れた」という理由で米国ツアーを撤退したた申ジエらは日本女子ツアーを選択した。