海外女子メジャー初戦に春の嵐襲来 “gusty wind”の爪痕
◇米国女子◇ANAインスピレーション 2日目(31日)◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6763yd(パー72)
海外女子メジャーの今季初戦「ANAインスピレーション」2日目、春の嵐が去った後のコース内の木々は無残な姿をさらしていた。大会初日の30日、コースがあるリゾート地・パームスプリングス一帯は、正午を過ぎたころから“gusty wind”と呼ばれる最大風速70 mph(約31m/s)の暴風が吹き荒れた。雨は全く降らない青空だったが、競技は中断を余儀なくされ、51人の選手がホールアウトできずに翌日順延となった。
ツアーを管轄する米LPGAなどは暴風が選手や観客らに危険を及ぼすと判断。会場からの避難指示をアナウンスした。
“gusty”とは「突発的な」「急に起こる」といった意味を表す単語で、気象用語としても使われる(ちなみに日本の気象庁の定義では、最大風速17m/s以上の熱帯低気圧を台風と呼び、33m/s以上は「強い台風」となる)。暴風は31日未明まで続き、コースに林立するユーカリの大木が、数ホールで根こそぎ倒され、樹皮や小枝が散乱した。
米ロサンゼルスタイムスなどによると、暴風により砂漠地で砂が吹き荒れ、ケガ人こそ出なかったが、パームスプリングスのメーンストリートでは信号機が故障し、およそ200世帯が停電、ガレージの屋根が吹き飛ばされる被害があった。
大会2日目の開始前、ボランティアスタッフらは、コースに散乱した枝の撤去などの対応に追われた。第1ラウンド未消化ホールの再開は当初、午前7時半を予定していたが、予想以上のコンディション不良のため、午前9時に変更された。
第1ラウンドの12ホールを残して2日目に臨んだ宮里美香はティオフに合わせ、早めに会場入りしたが、練習レンジでスタート時間変更の一報を受けた。「(米ツアーの開始時間変更は)よくあること。仕方ない」とさばさばした表情でいったんクラブハウスに引き上げ、再開を待った。
第2ラウンドは日没サスペンデッドとなり、大会3日目の1日(土)に決勝ラウンドと合わせて行われる。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/糸井順子)