予選落ちの大山志保、無念の宮里美香は涙いっぱい
リオ行きのチケットはライバルの戦いに委ねられた。カリフォルニア州のコーデバルGCで開催中の「全米女子オープン」2日目。4オーバーの106位タイから出た大山志保は「76」とスコアを落とし、通算8オーバーで予選落ちを喫した。今大会終了後に決まる8月の「リオデジャネイロ五輪」女子日本代表の2番手につけるが、出場可否は決勝ラウンドに進んだ4番手の渡邉彩香が命運を握る。宮里美香は「78」と崩れて6オーバーで予選落ちし、五輪出場の可能性がなくなった。
大山は風の強い午後のラウンドで出だし10番でバーディ発進。我慢を続けていた17番に落とし穴があった。左ラフからの2打目をミスしてグリーン左手前のハザードにつかまり、ダブルボギーをたたいた。「欲が出てしまった。キャディには7Iを勧められたが、少しでも前に行きたくて6Iで打った。一か八かだった」という選択から、後半もスコアを落とした。
11日付の世界ランキングをもとにした五輪ランキングで決まる2人の女子代表。最上位の野村敏京は当確で、今大会は残された1つのイスをかけたラストゲーム。世界ランク42位で2番手にいる大山、3番手の宮里はポイントを上積みすることができない。
週末を戦う渡邉の結果次第では、大山の逃げ切りでのリオ行きが決まるが「人が悪い(成績になるのを)願うことはできない。私は他の人のパットを『外れて』とは思えない」と複雑な心境を吐露。首痛などに悩まされ、今大会は7週ぶりの復帰戦だった。
「練習できなかったこと、自分の実力がそのまま出た。この大会はそれ(五輪代表争い)しかない。やるしかないと思って頑張った。自分の精一杯のゴルフ。大事な時期に準備できなかった自分がいけない。それで通用する世界じゃない」。テレビのインタビューが開始から3分経過したころ、目頭を押さえて声を震わせた。
宮里も涙に暮れた。初日1アンダー23位タイの滑り出しから、まさかの後退。強い風に苦しみ、通算イーブンパーで迎えた後半アウトに5ボギーをたたいた。「自分でズルズル崩れてしまった。パットの距離感が合わない分、ショットでつけたかった部分があった」。3番ホールから組全体にスロープレーの計測が入ったことも、リズムを崩す要因になった。
リオへの最後のチャンスとして臨んだ今大会。「なるようにしかならない。自分はベストを尽くした。行けなくても仕方ない。4年後(東京五輪)は、いまは考えられない」。懸命に思いを吐き出すと、堰を切ったように泣き出した。(カリフォルニア州サンマーティン/桂川洋一)