2016年 ANAインスピレーション

最終日の失速から続く道 宮里藍がつかんだ復活への手応え

2016/04/04 12:27
宮里藍は首位争い脱落も、復調の確かな手応えをつかみはじめた

カリフォルニア州のミッションヒルズCCで行われた米国女子メジャー「ANAインスピレーション」の最終日、約4年ぶりの復活優勝をかけて2打差5位で出た宮里藍は、2バーディ、5ボギーの「75」とスコアを落とし、通算5アンダーの18位でフィニッシュした。

3日目まで光ったショートゲームの歯車が狂い始めたのは、前半。4番でグリーン奥のラフからの第3打を2mに寄せたが、2パットのボギーを喫した。「フック気味に捕まって、スピンが効かなかった」と、続く5番(パー3)ではティショットをグリーン手前にショートさせ、アプローチを寄せきれずに連続ボギーとした。

「(硬さの)イメージがちぐはぐなところがあった。ショットのタイミングが合わなくてチャンスも少なかった」。硬く締まった最終日のグリーン。連日の上位争いを続けてきた疲れと微細な感覚のズレも、宮里を苦しめた。

「ここアメリカで生きていくにはショートゲームを磨いていくしかない」。米ツアーをけん引するのはパワーヒッターばかりだ。宮里はそれとは対照的なスタイルで勝利を重ねてきたが、生命線のショートゲーム、特にパッティングはここ数年、輝きを失っていた。

だが、3位に入った前週「キア・クラシック」から2週連続で上位争いを演じ、確かな変化を感じている。「シーズンの早い段階で結果が出たことはうれしい」というのが率直な気持ちで「収穫はパッティング。先週からパターのロフトを(2→4度に)変えたことが大きい。メジャーで、さらに自分の得意でないコースで、手応えを得られたことが良かった」と話した。

「スコアを伸ばさないと勝てないということが分かった今週、(優勝を)遠くに感じている自分もいる」。それでも、リーダーボードの上位に顔を出せば、勝利の欲が出てくるのは自然の感情。“完全復活”を願う声が大きさを増す中、宮里は「手応え」という言葉を何度も繰り返した。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/糸井順子)

2016年 ANAインスピレーション