2016年 ANAインスピレーション

宮里藍「メジャーのスコアの作り方」 39年ぶり快挙へ緊張と高揚

2016/04/03 11:50
ショートゲームが光る。パーでしのぐゴルフも「これがメジャーのスコアの作り方」だ

米国女子メジャー「ANAインスピレーション」3日目、首位タイで決勝ラウンドに進んだ宮里藍は2バーディ、1ボギーの「71」でプレーした。首位と2打差の通算8アンダーとして、逆転の見える位置をキープ。1977年「全米女子プロゴルフ選手権」を制した樋口久子に続き、39年ぶりとなる日本人2人目のメジャー制覇へ向け、最終日を迎える。

パッティング練習場で入念な調整を積み、レクシー・トンプソンとともに最終組としてティオフを迎えると、大歓声に包まれた。ツアー屈指の飛ばし屋のトンプソンとは「対称的なゴルフ」の宮里だが「彼女のプレーとは切り離して集中していた」と冷静さを保った。

ピンポジションがグリーン手前に切られたシビアなセッティングの中「インビトウィーンの距離が残り、距離感を合わせることが難しかった」と、イーブンパーで前半を折り返した。後半もチャンスメークに難航し、1~2mのパーパットを残して、しのぐゴルフが続いた。「とにかく(パーを)拾うだけ拾った。良い集中力を保てたし、これがメジャーならではのスコアの作り方」と言った。

最終18番では、ピン右約2mのチャンスにつけた。先にイーグルパットを沈めて10アンダーとしたトンプソンに対し、これを沈めて2打差に食らいついた。「きょうさえ乗り越えれば、あしたは思い切りいける。良く耐えて、あしたにつなげられた」。3日間の完璧なマネジメントの手応えは、リーダーボード上位の“Ai Miyazato”の名が示すとおりだ。

「あしたは上を追いかけるよりも自分のゴルフに撤したい。この試合でこの位置でプレーできることを楽しみたい」。復調の兆しを感じながら、静かに、力強く宿る自信。メジャーの大舞台での優勝争いに、緊張と高揚が入り混じる。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/糸井順子)

2016年 ANAインスピレーション