2015年 全英リコー女子オープン

宮里美香 メジャー制覇逃すも手応え「最終日に爆発必要」

2015/08/03 05:45
14番でイーグルを決めて喜ぶ宮里美香。久々のメジャーでの優勝争いは7位に終わった

スコットランドのターンベリーで開催された「全英リコー女子オープン」最終日。首位と2打差の4位から出た宮里美香は1イーグル、2バーディ、5ボギーの「73」で、通算5アンダーの7位タイに終わり、38年ぶり日本人史上2人目のメジャー制覇はならなかった。

最終組のひとつ前でメジャーの日曜日をスタートした宮里。1番で早々にバーディ発進を決めたが、3日目まで全選手中トップを記録していたパッティング(1ラウンド平均26パット)の勢いが、突如影を潜めた。1つスコアを伸ばして迎えた後半イン。ティショットをグリーン右手前に外した11番(パー3)で、2.5mのパーパットを沈め切れない。

「きのうまでラインを読めていた分、きょうは全然決まらず『こういう日なのかな』と思っていた」。風の中でなんとか作ったチャンスを生かせず、14番(パー5)では20yd強の3打目をSWでねじ込みイーグルを決めたが、上がり4ホールのうち3ホールでパーオンに失敗し、そのすべてでパーパットを決められなかった。

「ロングパットのタッチがすごく良かったが、ショートパットが入らなかった。入らないときは確かにあります。3日間入っていたが、最終日にそれが来てしまった。4日続けば最高だったと思う」。勝敗を決する最終ラウンドは計33パット。1977年「全米女子プロ選手権」以来となる日本人メジャー覇者誕生は、またしてもお預けとなった。

最後は「65」を叩き出し、後続に3打差をつけて逆転優勝した朴仁妃(韓国)の力強さが光ったが、宮里にとっては“復活”をアピールする4日間となった。

昨シーズンはメジャー3大会で予選落ち。賞金ランクは2009年に米ツアー参戦後、自己ワーストの91位に沈んだ。「昨年のことがあったので、今年にかける想いはいっそう強かった」。この日、同組でプレーした、スーザン・ペターセン(ノルウェー)とは2年前のメジャー「ザ・エビアン選手権」最終日に最終組で争ったが、「79」を叩いて涙した記憶がある。「スーザンと回っている時点ですごい緊張感がある。エビアンのときの悔しい気持ちもあった。大崩れしなかったのはひとつプラス。自分の中では少し成長できたと思います」

久々のメジャーでの優勝争いを経て「課題は最終日。3日目までにいいスコアを出しても、最終日に爆発的なスコアを出さないとこのツアーは勝てない」という言葉にも実感がこもる。「久々にいいゴルフができたのは率直にうれしい。メジャーでいい成績を残したのは今後につながる」。最高峰での戦いで、またひとつかけがえのない経験が増えた。(スコットランド・ターンベリー/桂川洋一)

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