全米では空回り…「ありのままのナリタ」で全英に
海外女子メジャーの今季第4戦「全英リコー女子オープン」は30日(木)からスコットランドのターンベリーで行われる。日本勢は9人が出場。国内ツアーから参戦の成田美寿々には、予選落ちに終わった3週前の「全米女子オープン」へのリベンジがかかる。
前週25日(土)の午後に当地に入った成田は、週明け27日(月)の練習ラウンド、28(火)のプロアマ戦で18ホールをチェック。事前にコースのホームページで各ホールの上空映像を観察してきたが「実際に歩いてみると違う。風が吹いていないとそんなに難しく感じないが、風が吹いたら“化ける”と思って回っていた」と、実戦モードに入った。
全米女子オープンは「すごく『頑張るぞ』という思いで行って、ボコボコにされた」。予選の2ラウンドはいずれも「79」の大叩き。悪天候により初日のプレー中に翌日順延となり、2日目に24ホールのプレーを強いられる“不運”もあったが「(5位で決勝に進んだ)葭葉ルミちゃんが同じ時間帯だったので言い訳にならない」と振り返る。
「ちょっと気負い過ぎていた。あまりにも海外メジャーを特別視し過ぎていた」。オリンピック出場に向けた世界ランク上昇という明確な目標もあり、気合が空回りする分かりやすい例になった。
だから今回は「高望みをせずに、自分の力を出せたらいいところに行けると思ってやる」と穏やか。「ここに来る前、鬼澤信子さんに『応援してるからね。ただ成田、力を抜けよ』と言われて。それも頭に残っています。日本でやっているものを海外でやりたい」。14本のクラブ選択も、特別な“全英対策”は施さないつもり。
「“ありのままのナリタ”を4日間、通せるかどうかというところ」。本格派のリンクスコースと向き合って「風よ、吹け」とは言えないし、蒸し暑い日本からスコットランド入りして「少しも寒くない」とも言えないけど、いまは何も怖くない。(スコットランド・ターンベリー/桂川洋一)