2014年 全米女子オープン

16歳アマ橋本千里 日本勢でトップタイの滑り出し

2014/06/20 12:15
キャディはロサンゼルス在住のティーチングプロにお願い。橋本は冷静にコースを攻めた

ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開幕した「全米女子オープン」初日。5月の日本地区最終予選会を突破して海外メジャーに初出場したアマチュアの16歳、橋本千里が2バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「73」(パー70)。総勢12人が出場している日本勢の中で、森田理香子と並び最上位の3オーバー暫定35位タイで初日を終えた。

日本列島で吹き荒れるアマチュア旋風は、太平洋を越えた。激しい日差しに加え、高い湿度が耐久レースの様相さえ浮かび上がらせる今季のメジャー第2戦。その第1ラウンドを、高校1年生は熱を帯び紅潮した顔でホールアウトした。

「残り2ホールまでは良かった」と終盤2ホール、8番からのダブルボギー、ボギーフィニッシュが気に入らない。とはいえ、それを差し引いても自己採点は「80点」。前半インを2ボギーで耐え、後半3番で4メートル、6番(パー3)で6メートルを沈めて2バーディを決めた。宮里藍横峯さくらとラウンド中にホール間ですれ違っても「気づきませんでした…」と言うほどの集中ぶり。世界一の称号を争うトーナメントでの堂々たるプレーで、決勝ラウンド進出への期待を膨らませた。

父・恭成さんは控えめに「本当に良い経験を積んでもらいたい」と言うが、本戦出場を決めた際には「すごく驚いたというわけではなかった。ゴルフは何が起こるか分からない」というのも本音だった。小学3年生でクラブを握り、同年代の身近なライバルをターゲットに定め、努力を重ねてきたのが今の結果。大会を迎えるにあたり、今年ツアー優勝を果たした同学年の勝みなみらから応援メッセージを携帯電話で受け取った。志の高い切磋琢磨は、見られなかった夢すら現実にする。

「今日のことは忘れて、一打、一打、自分のゴルフをやろうと思う」。あどけない表情とは、かけ離れた落ち着きよう。同大会史上、予選通過を果たした日本人アマチュアは1993年の小山美保以後、20年間だれもいない。もちろん16歳で突破となれば日本選手史上最年少となる。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

2014年 全米女子オープン