海外メジャー予選会、4戦3勝の上野藍子
今年の「全英リコー女子オープン」出場選手の中で、ただ一人予選会から勝ち上がってきた日本人選手がいる。最終予選は、大会週の月曜日にロイヤルリバプール近郊のカルディゴルフクラブで18ホールで争われて堂々の3位通過。その3週間前にはロンドンで1次予選が行われていた。
この2度にわたる予選会を突破して、初の全英出場を果たしたのは上野藍子。昨年末のQTで79位と低迷し、今年はステップアップツアーを中心に活動を続けている。今回が全英初出場となる上野だが、実はそれ以外にも予選会から2度、全米女子オープン出場を果たしているのだ。
この活躍には、2つの要因がある。1つ目は、08年12月に結婚したことで、残りのゴルフ人生について「子供も欲しいし、あと2年くらい」と集中して取り組んでいることがあげられる。「当たって砕けろ。挑戦できることはなんでもやりたいという気持ちが強いです」と、国内での出場機会が少ないだけに海外にも積極的に出掛けて経験を積んでいる。そして、「子供を2人以上産んで、そのあとゴルフに復帰できたらいいんですけど」と、ひそかな野望も抱いている。
もう一点は、今週キャディをしているジュード・オライリー氏の存在。今年は全米女子オープンの予選会に出場して通過できなかった上野だが、その直後に全英リコーでも同じような予選会があることを聞いたという。しかし、そのエントリー手続きはやはり相当複雑とのことで、「ジュードさんがいたから、来られました」と彼の存在が大きなサポートとなったそうだ。
今週の目標は「自分のペースでラウンドすること」という上野。帰国後は国内のステップアップツアーに出場する予定だというが、海外メジャーから下部ツアーまで、これだけ幅広いゴルフを経験できる機会も、そう多くはないだろう。(英国ホイレイク/今岡涼太)