桃子、世界奪取へ「進化」の再スタート
2011/02/16 20:27
2010年、米国女子ツアーの賞金ランキング44位に終わった上田桃子は、17試合に出場してトップ10入りが開幕戦の6位タイを含む僅かに2回。シーズン中は右ひざ痛に悩まされるなど不本意な1年となってしまった。
それが、上田の決心に少なからぬ影響を与えたのだろう。昨シーズン中にプロ転向前から師事していた江連氏との関係を解消し、新しくスティーブ・マクレイ氏の指導を仰ぐこととなり、同時に怪我の影響の少ない、下半身の体重移動を重視したスイングから「ドラム缶の中で振るイメージ」という新スイングへの切り替えにも挑戦した。
上田は言う。「最初にアメリカに来た時は、江連さんと作ったスイングを変える気は無かったけど、こっちはグリーンが硬くてアンジュレーションもきつい。試合もバーディ合戦になることが多くて、いかにピンを刺して行けるかが勝負になる。それをするには今までのローボールでは戦えない。これまでのスイングはローボールを打つ時は心地良いけど、ハイボールが凄く苦手に感じていた」と、決断の背景を説明した。
その完成度はもちろんまだ高くはない。「正直、(この試合に)期待はしていないです。スイングを変えると決めた時から覚悟はしていたし、すぐには上手くいかないと思っていました」。
だからこそ、精神的な成長も必要とされる。今年は「進化」をキーワードにするという上田は、「足の怪我やコーチとの別れもすべて意味のあることだと思う。これまでの3年を無駄にしたくないので、3年分の進化を今年1年で出せればいいと思います」と前を向く。
改めて「世界を獲りたい」という渡米当初の目標に立ち返り、「もちろん勝ちたいけど、3年くらいかけて世界一になれる準備をしたい」と、より長期的な視野を持ってシーズンに挑むことを宣言した。