私、踊りたくない…シャイなティティクル 生涯獲得賞金2000万ドル突破も「税金が気になる」
◇米国女子◇ロッテ選手権 最終日(4日)◇ホアカレイCC(ハワイ州)◇6530yd(パー72)
ウィニングパットを決めたジーノ・ティティクル(タイ)が祝福ムードの輪の中心でつぶやいた。「私、踊りたくない…」。すぐさま心配したのが、その後の恒例行事。ハワイのダンサーと優勝者が表彰式で一緒に舞うフラダンスのことが頭をよぎった。
「アイ・ミヤザトからの伝統なので」の声で手を引かれ、恥ずかしそうに見よう見まねで肩を揺らす。「先週、ダラスで友達に『ロッテで踊る姿を見に行く』って言われて『絶対にイヤ』と答えたのに」。大会が初めて開催された2012年、初代チャンピオンに輝いた宮里藍さんが勇気を振り絞って参加したセレモニーの一幕は14年経った今も続いている。
最終日はバックナイン終盤に突如展開が変わった。2打リードで迎えた16番、ティティクルは1Wショットをクリークに入れてダブルボギー。同組のユン・イナ(韓国)に追いつかれたが、続く17番で15mのバーディパットを沈めて勝ち越し。最終18番(パー5)の連続バーディで「68」にまとめ、結局3打差をつけた。
8月の「ポートランドクラシック」以来の今季4勝目で、米女子ツアーでの通算勝利数を11に伸ばした。「今までの10勝の方がダンスよりも簡単だった。私のダンスに比べたら、まだ16番のプレー(ダブルボギー)の方がマシ」と恨み節を優勝会見で続けながら、「きょうはその瞬間に集中して先のことを考えないようにした」と勝因を口にした。
アリヤ・ジュタヌガンによるタイ出身選手として最多の通算12勝にあと1勝に迫った。また、優勝賞金45万ドル(約7000万円)を手にしたことで生涯獲得賞金が2000万ドル(約31億5000万円)を超えた米女子ツアー史上6人目の選手となったが、元世界ランキング1位は冷静。
「また税金をいっぱい払わないと。2000万ドルが手元に入ってきたわけじゃないんだから。税金を取られるから、そこまで大金持ちじゃないですよ! ただ、どうしたらうまくなって、ツアーに生き残れるかとキャリアを考え、取り組んできたことへの対価として、期待していない結果(額)になっているだけ」と笑い、聞く人々をうなずかせた。(ハワイ州エワビーチ/桂川洋一)