メジャー連勝かかる“風の子”古江彩佳 セントアンドリュースは「ザ・リンクス」
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(20日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72)
全英女子の舞台としても2021年のカーヌスティ、22年のミュアフィールド、同年米ツアー初優勝を遂げたダンドナルドリンクスも…。リンクスコースで経験を重ね、結果も出してきた古江彩佳は、このセントアンドリュース オールドコースこそ「ザ・リンクス」と表現して警戒を強める。全英で戦ってきたリンクスは同じように北海に面したコースだった。それでも「ここの風は特に強く感じる」というのが理由だ。
欧州のメジャー2試合にスポット参戦した3年前、このオールドコースでプレーする機会に恵まれた。「どこを狙えばいいのか分からなかった印象。そのままの感じ」と笑う。コロナ禍で“聖地”すら閑散としていた当時に比べ、トーナメントウィークでテレビ塔などが建てられて少しターゲットを取りやすくなっても、ティショットの難しさは変わらない。
19日から連日18ホールを回ってコースチェックを重ねてきたが、「集めなきゃいけない情報がたくさんある。あとは、この風なので。(いろんな天候のシチュエーションを)いっぱい経験したいなっていうのが大きい。準備としては足りないくらい」と貪欲に話す。
前週「スコットランド女子オープン」で3位となり、今季米ツアー出場18試合で最多10度目のトップ10入り。連日強風が吹いたコースで実力を発揮した。「ひとつひとつのショットでうまく風を読み切れた時がすごく気持ちいいし、楽しい。ジュニアの時から、たまたまかもしれないけど、(風の中で)みんなよりうまく打てた、うまく上がれたっていうことがあったり、“ちょこちょこ”自信がついてきて、今も嫌いじゃないです」。思考と技術をフル回転して悪条件を攻略する快感を積み重ね、“風の子”とも言える選手になった。
7月「アムンディ エビアン選手権」で初のメジャータイトルをつかみ、2013年に朴仁妃(韓国)が「クラフトナビスコ選手権」「ウェグマンズLPGA選手権(全米女子プロ)」「全米女子オープン」で3連勝して以来のメジャー連勝が懸かる。14年に創設されたツアー表彰「ロレックス・アニカ・メジャーアワード」でもトップ。シーズンのメジャー成績をポイント化したもので、世界ランキング1位のネリー・コルダや「全米女子オープン」優勝の笹生優花を上回っている。
高まる周囲の期待にも目標設定、マインドセットは「変わらずにいけたら」と強調した。「自分自身のままで臨めるのが大事かな」。地に足をつけて、メジャー最終戦のティオフを迎える。(スコットランド・セントアンドリュース/亀山泰宏)