35→26パット よみがえった渋野日向子のストローク
◇米国女子◇フリードグループ スコットランド女子オープン 初日(3日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6494yd(パー72)
後半5番(パー5)、渋野日向子は2オンに成功しながら3パットのパーにとどまった。「すごく悔しい」とした上で、はっきり言えることもある。「ミスパットは、そこくらい。大きなミスは3パット以外なかった」。前週のメジャー「アムンディ エビアン選手権」最終日には18ホールで合計35パットを要した。違うコースとはいえ、26パットにまとめた。
シーズン序盤で痛みが出た左手の状態が徐々に上向き、ショット調整に割ける時間が再び増えていく中で重なった予選落ちにはパッティングの出来も絡んでいた。テークバックでアウトサイドに上がり、カットしたり、引っ掛けたりするミスに苦戦。「エビアンの最終日はパターもちょっと緩みがちだった。冷静にやろうと思って、すごく(バックスイングの)テンポが遅いというか…」と振り返る。
弧を描くようなストロークで小さく速く上げてパチンと打つ、渋野本来のパッティングが戻ってきたと感じられたのは、実は開幕前日のこと。「やっぱり、インパクトの瞬間に“緩んでる感”もない。迷わずに打てている感覚はあったかな」。微妙な距離をほとんどミスなく沈め、後半の3連続バーディでは長いパットもカップに消えた。
パッティングの安心感がショットにも好影響を与え、米ツアー自己ベストに並ぶ8アンダー「64」をマーク。昨年8月「AIG女子オープン(全英女子)」以来の単独首位発進となった。それでも、「何かがずれてきた時に『この時はこうだったな』というのを頭の中で整理できるように覚えておかないといけない。予習、復習しておかんと」。タフな午後組でのプレーになる2日目はもちろん、さらに先を見据えて気持ちも緩めなかった。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)