「もっとやられるかと…」 古江彩佳が胸を張る“24分の21”
◇米国女子◇ペリカン女子選手権 2日目(12日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6341yd(パー70)
初日1オーバー78位と出遅れた古江彩佳は、2日目も前半14番でボギーが先行した。セカンドのシャンクに始まり、ダフリ、バンカーからのトップと珍しくミスが連鎖。パー5で5オン1パットとスコアを落とし、見上げていたカットラインがさらに遠のいた。
「1オーバーですら(通過は)怪しいと思っていた。ヤバい、(このままじゃ)ダメだって」。入れ直した気合が空回りすることなくプラスに作用したのは、前日から巻き返しに向けた準備を進めていたから。2月以来となるフロリダのバミューダ芝を意識するあまり、クラブが上から入りがちになっていると気付いたのが初日のプレー終盤だった。ホールアウト後の練習場ではショット調整に割く時間を増やし、自分らしいインサイドアウト軌道を確かめるようにクラブを振ったという。
最初のバーディとなった17番は、初日もスコアを伸ばしたパー4。セカンドの残り距離が得意とする50度のウェッジをすんなり持てる数字になることもあり、イメージは悪くない。アゲンストの風でもしっかりと距離感を合わせ、1mにつけてみせた。
後半は上がり5ホールで3バーディとたたみかけた。「狙い通り。完ぺきでした」と声を弾ませたのは、最終9番(パー3)。手前に口を開けるバンカーも気になる右ピンは、池と反対の左サイドに逃げても厄介だった。「(ピンを攻めて失敗することを)心配せずに打つしかないっていう感じで、いいショットができた」。強烈な夕日を正面から浴びながら、腹をくくった7Iの一打でピンそば1mに絡めるバーディを奪った。
通算2アンダー36位で最終日へ。次週「CMEグループ ツアー選手権」(フロリダ州ティブロンGC ゴールドコース)は出場選手全員が4日間をプレーするため、参戦初年度の米ツアーでは予選カットのない大会を除く24試合のうち21試合で予選を通過した。未知のコースに多種多様な芝、慣れない長距離移動とも闘いながらのシーズン。「(予選落ちが)3つだけというのも、思ってもいなかった。もっとやられて帰ってくるかなというイメージはあったので。1年目としては上出来な方かな」と少しだけ充実感もにじむ。
当落線上での戦いを強いられたこの日、予選通過の目標と同時に意識を占めたのはバミューダ芝を相手に納得のプレーをしたいという思いだった。「今後に向けても、フロリダのこの芝に慣れていかないといけないと思うので。きょうは全体的に攻略できた方だと思うけど、これで満足はできない。繰り返しできるように」。異国の地で貪欲に階段を上っていく。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)