世界14位もウェアがない キャップは急きょ「ミュアフィールド」
◇海外女子メジャー◇AIG女子オープン(全英女子オープン) 初日(4日)◇ミュアフィールド (スコットランド)◇6649yd(パー71)
西郷真央、西村優菜、アマチュアの橋本美月ら複数の日本勢が荷物トラブルに巻き込まれた異例のメジャーで、トップランカーも悩ましげだ。首位の渋野日向子に1打差の2位スタートを決めた、世界ランキング14位のジェシカ・コルダは自前のウェアがスコットランドに届かない。
2週前にフランスで行われた「アムンディ エビアン選手権」の会場からの移動中にスーツケースと離れ離れになった。
「どこにあるかは分かっているの」。コルダがかばんに装着している“忘れ物タグ”の位置情報によれば、スイス・チューリッヒに置き去りになっている。「取りに行ける人がいなくて…」。準備してきた防寒着はいまだ海の向こう。冷たい雨風が吹き付ける今大会のリンクスでは心もとない。
開幕3日前の練習日はメーガン・カンにパンツを借りた。2日前は妹のネリー・コルダ、前日はアリソン・リーのウェアに身を包んでやり過ごし、この日、パンツだけでも契約メーカーの新品を着た。愛用のニットキャップや手袋、カイロは届く様子がない。普段はスポンサーのロゴが入る帽子は、会場のミュアフィールドで調達したものを代用している。
それでいて、終盤17番(パー5)のイーグルを含む「66」をマークして5アンダー。「ずっとリーダーボードは見なかった。横風が多く、どこにボールを運ぶべきかと必死だった」。全英女子初開催となったミュアフィールドでのプレーは「本当に楽しい。本当にストレスが溜まる」と難度の高さに舌を巻いた。
「ターゲットのかなり左や右に打ち出すのは、いつもの週とは違うこと。自分のゴルフを信頼しないと。失敗しそうだと思って一打、一打を放つのは難しいけれど、普段とは違うボールの動きを見ているのは楽しい」
願わくは、ここにいるあいだに忘れ物タグのお知らせに変化があってほしい。「チューリッヒからエジンバラへの便にスーツケースを載せてくれる方がいたら本当に感謝します…」