“1㎝の違い”が呼ぶもの 畑岡奈紗のパターのアレンジ
2021/10/01 08:20
◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシックby Acer 事前情報(30日)◇シービュー・ア・ドルチェホテル (ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)
畑岡奈紗は今年、パターを長年愛用してきたピン社のものからベティナルディ製に切り替えてシーズンに入った。これまでに勝利した2試合で使ったのはどちらもマレット型のセンターシャフトタイプだが、7月の1勝目と前週の2勝目ではヘッドに施した細工に微妙な違いがある。
コロナ禍の昨年、試合が行われなかった期間中に畑岡はストロークの計測を実施。一度はシャフトがヒール部分にあるベティナルディのモデルにもトライしたが、今季途中に「やっぱり使い慣れている」とセンターシャフトに戻した。
練習日のキャディバッグには同じヘッド形状のパターが2本入っているが、グリップとバランスはわずかに違う。畑岡にとっての一番の差はアドレスしたときの見た目。2本の黒いサイトラインの長さが異なる。7月「マラソンクラシック」で勝ったときのもの(写真左)は長く、目下の“エース”と呼べる前週「ウォルマート NW アーカンソー選手権」優勝時のモデルは短い。
このわずかな調整を施したのは夏場のこと。「ラインの見た目で、短い方がインパクト時にロフトが加わらなくなるかもしれない」というアドバイスを受けた。
ロフトが大きくなると、ボールがファーストバウンドするまでに“宙に浮いている”時間が長くなり、また接地時の衝撃も大きくなることから、スムースな順回転の妨げになるという考え。「目からの情報って意外と影響するのかなと思います」。わずか1㎝余りの工夫が大きな違いを生む実感を持っている。(ニュージャージー州ギャロウェイ/桂川洋一)