2021年 ロッテ選手権

直近100ホールで1ボギー リディア・コーは松山英樹マスターズVに勇気

2021/04/18 16:17
“天才少女”時代とは様変わりのスイング。新たなコーチもリディア・コーの復活を後押し(撮影/田邉安啓)

◇米国女子◇ロッテ選手権 最終日(17日)◇カポレイGC (ハワイ州)◇6563yd(パー72)

リディア・コー(ニュージーランド)がウィナーズサークルに帰ってきた。史上最年少の17歳で世界ランキング1位に輝き、10代で米女子ツアー(LPGA)最多14勝を積み上げたかつての天才少女。「泣きそうになったけど、泣かなかった自分を誇りに思う」。久々になった勝利の味をかみしめた。

2018年「LPGAメディヒール選手権」以来、1084日ぶりの優勝へ勇気をくれた人物がいる。前週の男子海外メジャー「マスターズ」で1344日ぶりに勝った松山英樹と2週前の「バレロテキサスオープン」で1351日ぶりに勝ったジョーダン・スピースだ。

「自分を疑わなかったと言えばウソになる。この数週間でジョーダン・スピースやヒデキ・マツヤマが久しぶりに優勝して、私もこの流れに乗れるんじゃないかと希望が持てた」。コーチを代え、キャディを代え、ギアも一新。遠ざかったタイトルになかなか届かずにいたが、昨年から新たにショーン・フォーリー氏をコーチに迎え、あとは自信を取り戻すだけだった。

昨年8月「マラソンクラシック」では単独首位で迎えた最終日の最終18番で痛恨のダブルボギーをたたいて逆転負け。最終日を前に夜中にベッドで目を覚ますほど緊張していたという自分は、今週はもういなかった。

7打差圧勝で1084日ぶりのタイトルをつかんだ(撮影/田邉安啓)

後続と1打差の単独首位から出たこの日のプレーは圧巻。9番からの4連続バーディで一気に加速し、連日の「65」でツアー史上3番目の記録となる通算28アンダーまで伸ばして7打差でぶっちぎった。

前の試合となったメジャー「ANAインスピレーション」も最終日「62」の猛チャージで今季2度目の2位フィニッシュ。直近100ホールで喫したボギーは今大会初日11番の1個だけと抜群の安定感を誇る。

「ゴルフが好きでなくなったことはないと思う。ただ、努力を続けても思い通りにならないことはあった。そして、その努力が正しいことなのか、疑ってしまう。チームのおかげで、その疑念を払拭(ふっしょく)できた。忍耐強く、正しいことに取り組み続ければ、全ては自然についてくる」。多くの支えで頂点に返り咲いた。(ハワイ州カポレイ/亀山泰宏)

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