“壁”が消えた18番 畑岡奈紗はどう攻める?
◇米国女子メジャー◇ANAインスピレーション 事前(31日)◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6763yd(パー72)
今季メジャーの先陣を切る一戦は昨年大会と大きく異なるポイントが2つある。ひとつはコロナ禍の9月開催から通常のスケジュールに戻ること。もうひとつは最終18番(パー5)の“壁”がなくなったことだ。
ウォーターハザードに囲まれたフィニッシングホール。無観客で例年のようなスタンドがなかった6カ月前は、同じ場所に巨大なスポンサーボードを設置していた。
2オンを狙う上でグリーンをオーバーしても、このボードに当てて止めることをマネジメントに織り込む選手も散見。優勝したイ・ミリム(韓国)は最終日の2打目が壁に当たり、バックスイングができなかったため無罰で救済を受けた3打目がチップインイーグル。タイトルの行方に大きな影響を及ぼした。
グリーンをオーバーしたボールをさえぎるものがなくなり、選手たちも攻略プランを再考している。池に向かって傾斜するグリーンの後ろの芝は刈り込まれており、池の手前にわずかな幅のラフがあるだけ。畑岡奈紗は4日間ともアゲンストの風が吹く予報と聞き、「基本的にはレイアップになるのかなと思う。(第2打で)アイアンを持てれば、奥の池を気にしないで打てると思う。ウッド系だと手前の池を越えても、奥の池まで転がってしまう心配の方が大きい」と明かした。
「日曜日にコースへ来てビックリしました。あれ(スタンドや壁)があったから思い切り攻められる選手も多かったと思う」としつつ、「面白くなると思います」とも。日本のエースは歓迎の意向だが、選手によって意見はさまざま。
レキシー・トンプソンも「メジャーだから、これは良いこと。チャレンジングで、より多くの思考を必要とするはず」と好印象。一方でマデレーネ・サーストレム(スウェーデン)が「ティイングエリアが前に出されても、2オンを狙う人はあまりいないと思う。正直言って、ちょっと退屈」と声を上げた。
歴代覇者でもあるベテラン勢の見解は独特だった。ステーシー・ルイスは当初のコース設計の意図に沿ってプレーできるようになったことを評価。ツェン・ヤニ(台湾)も「これが本当のゴルフだわ」と話した。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/亀山泰宏)