2020年 全米女子オープン

「もうちょい左」に微修正 渋野日向子の振り切れた初日

2020/12/11 11:26
1Wを振り切る渋野日向子。スタート直後の微修正が功を奏した

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 初日(10日)◇チャンピオンズGC (テキサス州)◇サイプレスクリークコース 6731yd(パー71)、ジャックラビットコース 6552yd(パー71)

Hinako Shibuno――。スタートアナウンス直後の第1打は右のフェアウェイバンカーにつかまった。「緊張はなかったけど、右に行った。ただ(バンカーは)アゴが近いわけでもなくて。易しくはなかったけど、大丈夫だろうと思いながら打ちました」。6Iでクリーンにヒットし、グリーンオン。パーを拾った渋野日向子は、すぐにティショットに修正点を見つけた。

左を向きながら右に出して戻ってくる弾道が本来の持ち球。わずかにだが、左への向きが足りないと読んだ。「真っすぐ目に向いちゃって、少し右に行ってしまうのかなと。当たりも悪くないし飛んでいたので、もうちょっと思い切って左を向こうと思いました」。その後フェアウェイを外したのは、風に流され右ラフに入った最終9番(パー5)だけ。「(修正は)それくらいですかね。それがハマったのかな?」という程度の修正は、スコアメークの土台を作った。

「やっと振り切れるようになった。ロングアイアンやUTを持つ場面が多い中、それを続けられたのは良かった。ティショットも怖いものもなかったし、アイアンも良かった」とうなずいた。4バーディ、1ボギーの「68」をマークした大会メインコースのサイプレスクリークは距離が長く、初日のアンダーパーは8人だけだった。フェアウェイから狙えたセカンド以降のショットにも好感触を示し、グリーン周りでウェッジを握ったのは1回に抑えられた。

パットも安定していた

総合力が試される舞台で、3アンダーの2位に「自分でもでき過ぎなくらい安定したゴルフ」と自己評価した。「下りは手前10cmに止めるように。大オーバーもないしロングパットも1m以内には抑えられた」と前半18番は下り傾斜の15mを絶妙なタッチで寄せてパー。直後の1番では「ピンが手前なのでエッジに落として、下りでもいいから真っすぐのラインに」とフォローの風を計算してエッジまで138ydを8Iで打った。狙いも風の読みもハマり、ストレートラインのバーディパットを沈めた。

6番では、ジャストタッチで6mを沈めた。「良いスタート過ぎるので、なかったことにして」と冗談めかし、雷雲予報のため予定より1時間20分早い午前9時17分からジャックラビットを回る2日目に向け「貯金が3つできたと思いながらやる。あすはショットがどこかに行くかも知れないですし(笑)悪天候なので耐えて、耐えまくるしかないですね」。謙虚な言葉の中に覚悟も示した。(テキサス州ヒューストン/林洋平)

「明日は耐えまくる」

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