2020年 全米女子オープン

「寄るかな」の不安と心境は今 渋野日向子が20年最終戦へ

2020/12/10 11:04
渋野日向子はグリーンの傾斜をメモ、メモ

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 事前(9日)◇チャンピオンズGC (テキサス州)◇サイプレスクリークコース 6731yd(パー71)、ジャックラビットコース 6552yd(パー71)

2020年最終戦は集中力を切らせないシビアなセッティングが待ち受けている。2コースを使う予選ラウンド。初日に回るメインのサイプレスコースでのスコアメークを問われた渋野日向子は「距離が長いのでフェアウェイキープをして縦距離を合わせないといけないけど、どうしても長い番手を持つ。パー4でバーディを獲るのはかなり厳しい。パット、アプローチの勝負になると思う」と口にした。

パー71で6731yd。練習日は11ホールあるパー4の平均ヤーデージが410ydだった。ウォーターハザードも多く最大60ydの長さがあるグリーンは傾斜が激しい。「(第2打で)ロングアイアン、UT、ウッドを持つ。グリーンに乗ってもロングパットが残る。アンダーが出せれば出来過ぎなくらい。耐えて、耐えてという感じになる」と2コース合計63ホールの事前ラウンドを終え、忍耐強く戦う覚悟を決めている。

2020年最終戦を迎える

「絶対に(グリーンを外して)アプローチを何回も打つことになる。もちろんショットのミスには怒りますけど(笑)。でも、一つひとつがすごく良い経験だと捉えてやっていきたい」とも言った。スリリングなセッティングにミスはつきもの。ただここ数カ月の心境変化が、前向きにリカバリーへ思考を巡らせている。

「ゴルフに対しては2カ月前よりプラス思考になりました。去年の自分に戻りたいと言ったこともあったけど、新しい自分を作り上げる、という風に考えるようになった」。「グリーンを外したときのアプローチもどこに落とそうか、とイメージすることもいまは楽しい。これまではアプローチ地点に行くのに『寄るかな』みたいな不安があったけど、いまは『どんな感じで寄せたら寄るんだろう』となりましたね」。笑顔で心境変化の経緯を説明した。

“難しい”を詰め込んだコースでは忍耐力が試される。「気持ち的にネガティブになることが多かった20年。最後をここで迎えられたことは経験として本当に良い。(アプローチの)イメージをして打ってやっていく作業が多いって考えると、すごくこれからの自分に大切だなって思う。まずは予選通過を目指したい」。何よりも欲している“成長”につなげるための目標を置いた。(テキサス州ヒューストン/林洋平)

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