2020年 AIG女子オープン(全英女子)

前年覇者の自覚と挑戦者の心 渋野日向子「一瞬たりとも無駄にしない」

2020/08/18 20:44
笑顔で調整(R&A、Getty Images)

◇メジャー第1戦◇AIG女子オープン(全英女子オープン) 事前(18日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇6649yd(パー71)

会場の目立つ場所に自らの写真が飾られている。駐車場には歴代優勝者専用のスペースが用意された。渋野日向子はディフェンディングチャンピオンとして迎えるメジャーで、その立場をはっきりと自覚している。「誇りに感じます。どんな状況、どんな時も、一瞬たりとも無駄にしない時間を過ごしたい」と口にした。

開幕2日前、出場選手で最初に行った公式会見。海外メディアからの、スマイルシンデレラとして記憶を刻んだ前年大会に関する質問に答えた。「人生が変わった。1週間で芸能人になった感じでした」、「空港に帰って皆さんの前に出るとテレビで見ていた光景。たくさんの人に出迎えてもらい鳥肌が立ちました」。通訳を介して丁寧に振り返りつつ、「(この1年の思い出で)全英優勝に勝るものはない。去年と変わらない自分らしさと、(技術的には)去年とはまた違った自分を見せられるようにしたい」とうなずいた。

悔しかった前週からの復調に期待(R&A、Getty Images)

本場リンクスコース初挑戦になった前週の米ツアー「ASIスコットランド女子オープン」は経験不足が重なり通算14オーバー132位で予選落ち。翌15日(土)にハーフショットやアプローチを確認した。渡英前は連覇を意識するコメントも残したが「リンクスに対しての対応がまったくできなかった。今週もリンクスなので、怖いという思いがあったり。先週2日目にはディフェンディング(チャンピオン)として、下手なゴルフができないという想いが込み上げたけど、こっちに来て少し変わりました。楽しみ6、(プレッシャー)4。自分なりに楽しめたら」と笑みも交えた。

切り替えの早さは昨季、過度に注目されながら結果を残すことにつながった長所でもある。結果を意識し過ぎない心持ちも、ノンプレッシャーで勝ち切った前年大会と同じだ。連覇すれば2011年のツェン・ヤニ(台湾)以来になるが、成長過程にある経験値や技術にも冷静に目を向ける。

「心の中には(連覇は)あるけど、自分の技量や頭の使い方(マネジメント)ではリンクスに対応できないこともある。ただその中で最大限の力を出して、良いゴルフができるように頑張りたいなと思うようになりました」と話し「(体調は)めっちゃ元気。どんな瞬間も噛み締めたい」。誇りを胸に全力で挑んだ先の結果を待つ。

2020年 AIG女子オープン(全英女子)