味のりによっちゃんイカ 渋野日向子は初メジャーもらしさ全開
◇海外女子メジャー◇AIG全英女子オープン 事前(30日)◇ウォーバーンGC(イングランド)◇6585yd(パー72)
初挑戦のメジャーにもトレードマークの笑顔が光る。今季国内ツアー2勝の20歳・渋野日向子はらしさ全開で調整を進めている。
開幕2日前は強い雨で午後の練習ラウンドを中止し練習に専念した。「こんなに広いと気持ちいいですよ」とアプローチ練習場で4カ所のカップにチップインするまで終わらないノルマを自らに課す。20分、30分と雨に打たれ「んー、お腹空いてきちゃったな」。キャディバッグから嬉しそうに「あ、これがあったんですよ。食べたいですか?」と味のりを引っ張り出し頬張った。
1球目のチップインを決められず、1時間ほど要した。その間には世界ランキング4位のミンジー・リー(オーストラリア)とメジャー2勝のアンナ・ノルドクビスト(スウェーデン)との同組を伝え聞き「おお!そんなすごい組なんですか」と興奮気味。しかしミンジーのことについて聞けば「まあ、そこまで詳しくは…知らないんですけどね」と豪快に笑う。1球目のチップインを決め両手を挙げると、コツをつかんだように15分弱で残りの3球を終わらせた。
前週の国内ツアーをスキップし2度目の海外、初の英国に向け25日(木)に日本を発った。初のロングフライトで「寝て、映画見て、寝て、ご飯食べて。日本でもいつも眠たいから時差ボケはないです」と笑わせる。前週末はロンドンの大英博物館を訪れたが、「ちょっと難しくてゴルフよりも疲れちゃった(笑)」。会場でのラウンドが解禁になった29日(月)に初めて18ホールを回り、グリーン上に警戒心を強めた。
会場には地元・岡山県から応援団も駆けつけ、最近試合中に食べるというよっちゃんイカ、あたりめ、なども入手。海外での試合は、ジュニア時代を含め初になる。声を弾ませ「まずは予選通過。自分の力がどの程度かわからないので、それを知りたい。海外はまったく苦にならない。でも気持ちは日本の試合と変わらないです」。気張らず、気負わず、自然体。魅力は海を渡っても変わっていない。(イングランド・ウォーバーン/林洋平)