ハッピーバースデー勇太! 選手会長が29回目の誕生日に思うこと
以前は「ミズノオープン」や、「東海クラシック」が男女同時開催を行っていたものだが、今ではシニアも合わせて同じフィールドで戦う年末の「Hitachi 3Tours Championship」が唯一、男女プロの貴重な社交の場となっている。
開催直前と直後に一同が介して行われる記者会見も、またとない機会でこれまた見もの。今年は特に、シニアツアーが6人中4人も永久シード選手でそろえて、合わせて207勝という豪華メンバーだったこともあり、見応えもたっぷりだった。
舌戦に次ぐ舌戦を繰り広げた3ツアーの面々。その中で、妙に気になったのがこの2ショットであった。我らがJGTOの選手会長と“女王アン”だ。たまたま席が隣同士ということもあり、着座するたびに互いに膝をつき合わせんばかりに話し込む。
なにやら饒舌に語る池田勇太。日本語も達者なアン・ソンジュさんが、しきりに相槌を打っている。その様子がとても楽しげで、ついこちらの耳も思わずダンボに。気になる会話の中身が途切れ途切れに聞こえてきて・・・。
「多分オレ、一生結婚できないよ・・・」と、ちょっぴり伏し目がちに打ち明けた池田。「ええ~!! なんで、なんで?!」と、びっくり眼のアンさんはそういえば、今秋に堂々の交際宣言に続いて、さらに先日には恋人から贈られたという薬指の指輪をお披露目したばかりの幸せ絶頂期である。な~んだ、さっきから2人は恋バナで盛り上がっていたのか。納得。詳しい内容はともかく、どおりでどこか楽しそうだったわけだ。
そういえば池田は以前にも、同じようなことを言っていた。
几帳面で、何事も自分が仕切らないと気が済まない性格を自覚していて「こんな面倒なオレと結婚しようなんてヤツ、いないと思うな…」。そんな性格こそが、今年は再び2年連続の選手会長就任へと、駆り立てたというのもある。
続投にあたっては、お母様をはじめ家族や親しい友人の猛反対にあったというのも当然だ。自分のことはさておき、西へ東へ奔走に奔走を重ねた初年度は、自ら立候補した経緯もあり、「ちょっと頑張り過ぎた」と、本業との両立に苦しんだ。精神的な負担も大きく、周囲をハラハラさせどおし。「もうあんな思いはしてほしくない」「ゴルフに専念して」という周囲の思いも当たり前である。
そうなってくると、気になるのが来季の去就だ。本人も悩ましいところである。「本音はもうやりたくない」。きょう22日が29歳の誕生日。「20代最後の年」。来年こそ、本腰据えて取り組みたいのがかねてより、悲願の賞金王獲りである。
初就任からこの2年間はともに1勝ずつにとどまり、掛け持ちの難しさを嫌というほど思い知らされて、年頃の心も揺らぐ。「でも、誰もやりたがらないからな…」と、つぶやいたとおりに、今季のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の最終日は出場選手全員参加の閉会式で、それとなくみんなに後任の意志をたずねてみたが、揃いも揃って目を伏せられてしまった。
もちろん、開票の結果次第にはなるが、はてさて来季の会長選挙の行方は…。「まったく、どうなるんだろうねえ」と、お誕生日も複雑な心境で迎えた選手会長。嫁探し以上にこちらのほうがよっぽど困窮しそう…!?