2013年 〜全英への道〜ミズノオープン

<途切れてしまった記録より、山下和宏に追い求めて欲しいもの>

2013/07/01 11:10
26試合連続予選通過の記録が途絶えてしまった山下和宏

23歳の小平智がメジャーでの嬉しいツアー初優勝を達成した先月の「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」。そこでひとつ残念な記録が途絶えた。昨年のダイヤモンドカップから続いていた、山下和宏の連続予選通過記録。目下、最長記録を更新中であったが、27試合目にして途切れてしまったのだ。

本当にあと1打、足りなかった。通算の1アンダーか。山下も名を連ねたイーブンパーグループか。その境目で揺れていたカットラインは山下が上がったときにもまだ確定しておらず、関係者の「大丈夫、イーブンパーも入るよ」との慰めも、「いやあ…そんな簡単に言わんとってください」と、苦笑いでやんわりとたしなめた。

自分でも、こだわっていた記録だっただけに、それが途切れてしまったのはさすがにショックだった。「なんかねえ…あの週は、ちょっとぼや-っとしてたんです」。油断もあったと思う。2日目は前半に4つのバーディに「ああ、もう通るわと思ってしまった」。

折り返してすぐの10番パー5も、「ロングでまたひとつ取れるわ」とあなどったら、セカンドショットでOBを打った。次の11番では10メートルのバーディパットが1メートルも行きすぎて、ここでも「ボ~っとしてた」と、3パットのボギーを打った。

結局、この2ホールが響いて、決勝進出にもあとわずか1打なら、悔やんでも悔やみきれない。

「自分としても、なんとしても通るという意志が持てなかった。集中出来ていなかったような気がします」と、当時の心境を振り返って、肩を落とした。

連続ボギーなし記録とか、山下のように連続予選通過とか、どんな選手でも記録には、燃えるものだ。一昨年は宮本勝昌が連続試合出場記録に賭けていたが、あれは関係者もみな、興奮したものだ。ついに151試合目で途切れたときは、みな自分のことのように残念がった。山下のことも、応援している人が多かっただけに2日目は落胆の声が大きかった。
1年がかりの偉業だっただけに「また一からやりなおしと思うと…」。本人も気が遠くなる思いがするが「しょうがないですよね。いつかは途切れるものですし」と翌週のミズノオープンでは、気を取り直して再スタートを切った山下。

「いったん、垢を落としたつもりでまた、一からやっていきます」と笑ったが記録更新よりも、みんなが待ちわびているのがツアーでの初優勝であることは、言うまでもない。

2013年 〜全英への道〜ミズノオープン