JGTOが今年のツアー日本一に!!/HITACHI 3TOURS CHAMPIONSHIP 2005 IMPACT!
2位のシニアツアーに3.5ポイント差の34.5ポイントを獲得。他の2ツアーを退けて、優勝できたことはもちろん嬉しい。
前評判どおり、最強ツアーの貫禄を見せつけられた。戦い終えて、皆がその安堵感に包まれたのも確かだ。
しかし実際はそれ以上に、ある感情がJGTOメンバーたちの心を包んでいた。それは、心からの「ありがとう」の気持ち。
シニアVS女子VS男子の対抗戦『HITACHI 3TOURS CHAMPIONSHIP 2005 IMPACT!』。
その最終ラウンドのファイナルステージで、宮里藍とプレーした深堀圭一郎はスタートするなり、感謝の気持ちがあふれ出た。
宮里はトップ通過を果たした米ツアー予選会から戻ったばかり。その足で、会場の千葉カントリークラブ梅郷コースに駆けつけた。疲れがないわけがない。
それでも笑顔を絶やさぬプレーで、観衆を魅了した。そんなけなげな姿を見て、思わずこんな言葉がこぼれていた。
「藍ちゃんらしい明るいゴルフで、みんなに元気をくれた。ありがとう」。
2日目の3rdステージ。青木功と回った横田真一は、その技に感謝した。
「砂煙が上がるようなスピンのかかったバンカーショットは、まさにオリエンタルマジック。本当に、良いものを見せてもらった」。
横田は、2日間計4ステージとも、女子選手に負けている。メンバーたちにも「選手会長に足を引っ張られた」と、少々辛らつな言葉を浴びせられたが、それでも「充実した2日間だった」と振り返った。
「不動選手にはマシーンのような、まさに“不動”のスイングを、藍ちゃんには体力、精神力の強さを見せてもらった。素晴らしいプレーを、ありがとうございました」。
今野康晴は、普段めったに会えない選手たちと、大会を通じて交流できたことを喜んだ。
「今回は、シニアや女子の人たちとたくさん話ができた。こんな機会を作ってくださった大会関係者のみなさんに、感謝します」と、話した。
今大会は、「社会貢献」と「ジュニア育成」「日本ゴルフ界のさらなる活性化」の3つを柱に開催された。
入場料収入の全額と、選手の獲得賞金から任意の額が、難病に苦しむ子供たちや、家庭環境に恵まれない子供たちに贈られる。連日、足を運んでくださった大勢のギャラリーのみなさんの前でプレーすることが、チャリティ活動につながっている。
谷口徹は、その喜びを噛み締めながら戦ったという。
最後に、青木が言った言葉が出場選手みんなの気持ちを凝縮していた。
「こんな63歳のおじいちゃんと一緒になって、一生懸命プレーしてくれた。若い子たちに“ありがとう”と言いたい。こういう試合をやると、また、頑張ろうという意欲が沸いてきた。63歳のおじいちゃんをそんな気持ちにさせてくれた、日立さんに“ありがとう”と言いたい」。
シニアも、女子も、男子も。
日立グループの大会特別協賛を受けて、年齢も、キャリアも、性別も、すべての垣根を取り払い、みんな夢中になって白球を追った。
1打に笑い、悔しがり、称えあい、励ましあったこの2日間。
「今日は本当に楽しかった。俺のゴルフ人生に、また新たな1ページが加わったよ」と、青木は言った。
「・・・みんなも、いつ終わるともしれない、“今”という時を大事にして、これからもひとつひとつ、自分の1ぺージを作っていって欲しいんだ」。
こうして同じ時間を共有できたからこそ、青木のこの言葉が、いっそう重みを持って出場選手みんなの心に届くことだろう。