ツアープレーヤーたちのこだわり<片山晋呉>
先週のブリヂストンオープン初日。ハーフターンでマネージャーの金魚潤一郎さんが、テンガロンハットを3つ持って、片山のもとへ駆けつけた(=写真中)。スタートでは、黒のハットをかぶっていたが(=写真上)、バック9から白のハットに変えてプレーした(=写真下)。前半の9ホール、1オーバーと奮わなかった。それまでの悪い流れを断ち切るために、片山が良くする気分転換法だ。
帽子へのこだわりは、かなりのものだ。遠征中は専用のケースに入れて、常に10個は持ち歩く。その日の気分や、天気、ウェアのバランスを考えて、日ごとに変える。
素材や色にもこだわる。夏は麦藁で出来た涼しげなデザイン。冬はコーデュロイなど、暖かさを感じさせるものを使用する。レインウェアと同じ生地で出来た雨の日用もある。汚れたときのスペアも含めて、年間40個以上のハットを用意しているという。
デザインの凝ったテンガロンは当然、通常のキャップよりも重量が出てしまうが、それでもあまりに重いとプレーに差し支える。だから用具契約を結ぶナイキでは、可能な限り軽量化を目指して製作にあたっているという。ハット1個あたりのグラム数もだいたい決まっているそうだが、片山は重さにも敏感だ。
わずかでもオーバーしようものなら、すぐにチェックが入るという。
ちなみに、練習日やプロアマ戦で片山がテンガロンハットをかぶることはない。本戦が始まるまでは、もっぱらバイザーを愛用する。やはり、テンガロンほどのインパクトはないから、一瞬、それが片山と分からない人もいる。
「水曜日から、被ってくれたらいいのに」などとアマチュアのお客さんから声をかけられることもあるが、絶対に本番以外では被らない。テンガロンハットは片山にとって、いわば「舞台衣装」。それを被って初めて、戦闘モードに入るからだ。徹底したエンターテナーぶりには、帽子ひとつに対しても、職人のような頑固さがある。
今年残り6試合。「最高のゴルフと、最高のパフォーマンスをお見せしたい」。そのこだわりこそが、片山をさらに高みへと押し上げる。
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<東京ドームカップ>
2日目、18番ホール(パー4)のセカンド地点で競技委員要請があった。ティショットが左ラフの傾斜地に行き、球は枯葉2枚の上に乗っている状態であった。プレーヤーはアドレス(クラブをソールしていない)はしていないが、ワッグルをした際、球の下から出ていた枯葉にクラブが触れ球が少し動いたとのことであった。
競技委員の裁定は、アドレス後に動いたことにはならないが、球の動く原因となることをしたとして1ペナルティで球をリプレースするよう伝えた。
読者の皆さん、秋は落ち葉や枯れ枝が多い時期です、ラフや林のほうに曲げたときは十分注意が必要です。