ツアープレーヤーたちの偽らざる本音<ミッシェル・ウィの来日>
今月5日、プロ転向を表明したハワイ出身のミッシェル・ウィが、11月24日開幕のカシオワールドオープン(高知県・Kochi黒潮CC)にやってくる。ゴルフファンには楽しみな限りだが、同じフィールドで戦うことになったツアープレーヤーたちは、複雑な心境だ。
「実物を見るのが楽しみ? ・・・楽しみなわけないじゃないですか」というのは谷口拓也だ。16歳の、まだ少女といっていい年齢ながら平均飛距離は300ヤードを超える。「負けるのは、目に見えている。一緒に回ってみたい!? とんでもない。スコアだって、どうなるかわからないし、出来れば直接対決は避けたい。・・・当たり前じゃないですか!!」と、戦う前から弱気な発言を繰り返す。しかも、負けているのは飛距離だけでない。さらに深刻な問題は、その身長差。183センチのウィに対し、谷口は175センチ。「絶対に隣に立ちたくない。足の長さを比べられそうで・・・」と、苦笑する。
片山晋呉さえも、苦々しい顔で言う。「一緒にやりたくない。・・・だって絶対にドライバーで置いていかれるもん!!」と、マジ発言。
ウィが、ナイキ社と契約を結んだことも、片山には複雑だ。何しろ、その契約金は推定1000万ドル(約11億円)。やはり、ナイキ社と契約を結んでいる片山は、その知らせを聞いて一瞬、凍りついた。破格の金額に目をむいたあと、一息ついて我に返ってポツリ。「・・・僕はまた、契約選手のランキングからガクン、と立場が落ちちゃうね・・・」。同じプロゴルファーとして、偽らざる本音を吐露していた。
「夢はマスターズ制覇」と、どこまでもスケールの大きさを感じさせるウィ。カシオワールドオープンはプロ転向後、初の海外試合となる。その前週のダンロップフェニックス(11月17-20日、宮崎県・フェニックスCC)には、連覇を狙ってタイガー・ウッズも来日する。秋の男子ツアーは、海外からの刺客が嵐を巻き起こす予感・・・。